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#346. Extra-お客様の服 サンクロスの魅力を活かしたスーツ

Posted by KINN Tailor on 11.2017 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今回は、サンクロスを使ったとてもハイセンスなスーツをご紹介します。

 まず、サンクロスについて簡単に説明しますと...
サンクロス生地**
 サンクロスは、英国がインドを統治していた頃に、インドへ派遣された英国
の高官に好まれていた生地です。
 ウールで厚味があるのですが(表面はツルツルしています)、裏面の赤い
色が太陽光線を反射する
力がある・・・という事で用いられていました。
 この赤色がとても綺麗なので、本来は裏面ですが、表地としても使われる
ようになりました。

◇オレンジのスーツとベージュのスーツ
サンクロスオレンジ斜め** サンクロスベージュ正面**
・デザインは普通の三つ揃いですが、写真のようにどちらを表地に設えても
 その光沢が魅力的で、角度によって微妙に色が揺らいで見えます。


◇ベスト
サンクロスベスト**
・デザインはイギリス流。前釦は6個で水牛釦です。
・裏地は、ベージュには赤系、赤にはベージュ系というように相手側の色味
 を持ってきました。


◇パンツ
サンクロスパンツ**
・パンツは釦使用です。サスペンダーで着るデザインになっています。

もともと背の高いお客様でいらっしゃいますが、サスペンダーを使用する事で
ベストを短く
する事ができ、更にバランス良く、スタイリッシュにお召し頂ける
と思います。

#345.特殊な体形 その十(最終話)

Posted by KINN Tailor on 27.2017 製図の話   0 comments   0 trackback
 10回に渡り、「背中に特徴のある体形」について、採寸の様子から製図法
について、お話して来ました。

"斜辺裁断"を使う前は、今回のような体形の場合…まず肩と脇の下の高さ
の差で見当を付けてパターンを作成して、後は仮縫いをしながら直していく
しか方法がなかったので、かなり苦労しました。
 斜辺裁断をするようになってからは、採寸をした時に背中の左右の膨らみ
の違いな
ど、細かい寸法がわかるようになったので、仮縫い時に大きな修正
をする事もなくなり、とても助かっています。

 実は今回の方、は10年程前にも一着作っておられるのですが・・・今回久
し振りに採寸し直して一番驚いた事は、肩や背中だけがとても大きくなって
いる事でした(左右の差も大きくなっていました)。
 前回は普段と同じように片側の斜辺だけ計り、後は肩や脇の高さを計って
修正すれば済みましたが、今回はそれでは難しいと判断しました。
 そこで、今回は左右の斜辺を別々に計り初めから左右の差を知った上で
パターンを作成
し、仕事をしましたので、比較的スムーズに進める事ができ
ました。

 また、このような機会がありましたら、紹介していきたいと思います。

▪️背中切り躾                    ▪️ベスト切り躾
背中 切り躾  ベスト 切り躾
・切り躾は、左右両方共入れて、後から片方を抜きました。
・左右並べてみると、高さがかなり違うの事がよくわかります。

▪️パンツ
パンツ
・上半身以外は全く問題ありませんでした。パンツは綺麗に落ちています。

▪️全身正面                     ▪️全身 後
全身正面 全身後2
・実際の体形に比べて服を着た方が、左右の差がわかりにくくなっていると
 思います。
・着て頂いて、服が身体に馴染んで来ると、更に着やすくなると思われます。

     *   *   *   *   *   *

 体形によるパターンの修正の仕方など、ご質問がありましたらメールにて
ご連絡下さい。お待ちしています。



#344.特殊な体形について その九

Posted by KINN Tailor on 13.2017 製図の話   0 comments   0 trackback
 今週は、前身頃の製図について説明します。

 後身頃のB、W、H、L線をそれぞれ延長して、次のように製図します。
 
図A

・後身B~1=B/2 D=Bからブレード寸法(アームホール前の位置)
・4=Bから胸囲1/2  5=4から5cm(前身頃の前中心)
・21=胸幅D~5の中心 23=腹幅20~22の中心
・23~21を結び延長線上にDから前肩寸法を計りNPを描く
・NP~24=前身肩幅

 この製図は、この方の左側の前身頃になります。これに右側の修正を加え
ていきます。

 後身頃は、背中心線の歪みもありましたので、別々に製図をしましたが、
前身頃はこの左前の製図に(下図のように)修正を加えるだけで済みました。

図B
 まず、右胸が左よりも2.5cm下がっていますので、B線をB‘まで下げ、ポイント1、
Dも1’、D‘に移動させます。そこからNPを計りますので、NP‘はNPよりも2.5cm低く
なり、肩のラインも下がり、顎ぐりは短くなります。
 ここで注意すべき事は、肩の高さや顎ぐりが左右で極端に違っていても、
ラペルは前から見た時に左右同じ高さでなければなりません。その為には、
襟の製図でも調整が必要になります。その製図がこちらです。
図C
 このように、襟は左右別々に製図をします。
 アイロンワークの際には、右襟が短いので、クセを取るのが少々大変に
なります。

 実際の型紙です。右と左の顎ぐりのラインも微妙に違っています。
襟1

襟2


〈つづく〉

#343.特殊な体形について その8

Posted by KINN Tailor on 30.2017 製図の話   0 comments   0 trackback
 今回から、製図について説明していきたいと思います。

 まず最初に、一般的な体形の方の、斜辺裁断を使った後身頃の製図を説明
します。

【図 A】
図A**
・O=起点 O~B=鎌深 N~W=背丈 N~L=上着丈 
・B~2=ブレード寸法の1/2 2~3=3.5cm
 ここで、斜辺寸法を使って背の製図をします。
・B~Z=底辺 Z~N=内側斜辺 Z~S=外側高さ B~S外側斜辺 
・N~6=B/8 6~7=2cm 7~8=N~7の1/3
 これで後身頃の肩周りの製図ができます。
 一般的な体形の方はこのように製図をして、そのパターンを使って左右同
じ形になるように裁断します。
 また、どちらか片方の肩が下がっている場合は、この基本的な製図に補正
を施します。

【一般的な補正】
補正**
 例えば…右肩下がりだったとしますと、普通は7~8mm程度、多い時で
1cm位を図のように下げ、下げた分だけアームホールを深くします。
 ところが、この方の場合は左右差がとても大きいので、補正という範囲で
は上手くいかないと思い、後身頃と襟の製図を左右別々に行う事にしました。

【図 B】
図B**
 まず左の後身頃を描きます。
 それを元にして右側を描いていきます。
①採寸の際に脇の周りにテープを巻いて、脇の高さがどれ位違うかを計って
 みました。すると、右の脇が2.5cm下がっていましたので、Zを2.5cm下げてZ′
 とします。
②それに伴い、Bを2.5cmの半分の量1.25cm下げてB' とします。
 (ZとZ' は繋がっている線なので、その中間点であるBも下げてB' とする)
③B' とZ' を結び、その線を斜辺寸法の底辺として、背中の製図をします。
④すると、NはN' となり、B' と結ぶとかなりカーブした線になります。
⑤襟ミツ、肩の線も図のように右に下がります。
⑥脇の長さは左右違いますが、それ以外のB線(胸のライン)より下は左右
 同じに製図します。

 右側の背中がかなり強いカーブになっていますが、左側の背中に合わせて
縫い合わせ
アイロンをかければ、つれたりする事なく綺麗に仕上がります。

 次回は、前身頃襟の製図の説明をします。

〈つづく〉

#342.特殊な体形について その七

Posted by KINN Tailor on 16.2017 採寸の話   0 comments   0 trackback
 今回は、ベストとパンツの採寸です。

■ベストの採寸

①襟開OP(Open)
18ベストオープン
・ソケットボーンからベストのVゾーンの上端迄を計ります。

②脇丈SL(Side Length)
19ベスト脇丈
・ソケットボーンから首の付け根を通り、ベストの脇の長さを計ります。注)1

③前丈FL(Front Length)
17ベスト前丈
・ソケットボーンからベストの前の開き迄を計ります。注)2

④背丈BL(Back Length)
20ベスト背丈
・ソケットボーンからパンツの上が隠れる位の長さを計ります。

*尚、最近はベストを短めに作る傾向がありますが、本来は手を上げたり、
 前かがみになってもシャツが見えない長さに仕立てるのが基本です。
注)1、2も同様で、ベルトが見えない長さ迄を計るようにします。


■パンツの採寸

 イラストの箇所↓を計ります。
img006.jpg

①パンツ丈OS(Out Seam)
・腰のくびれた所から靴のかかとの上迄計り、そこから1.5~2cm短くします。
・かかとが高い靴の場合は、短くする量を少なくします。

②股下IS(In Seam)
・物差しを股に入れ、靴のかかとの上迄を計ります。パンツ丈と同様に調整します。

③ふくらはぎCA(Calf)
・パンツの裾位置からふくらはぎの一番張っている所迄を計ります。注(3

④腿T(Thigh)
・腿にメジャーを巻き、お客様に確認をしながら、適当な緩みを付けて計ります。

⑤膝K(Knee)
・膝の位置でパンツの幅を計ります。

⑥裾B(Bottom)
・裾の位置で幅を計ります。
*モーニングカットにする場合は、靴との関係を考えて前上がりの量
 決めます。

 パンツの採寸をする際に注意しなければならないのが、脚の形です。
 残念な事に、脚が真っ直ぐな方は比較的少なく、大抵はX脚であったりO脚
だったりします。特に日本人に多いのはO脚ですが、極端に膝と膝の間が開
いている方の場合など、三角定規を使って離れ具合を確認させて頂く場合も
あります。
 また、ふくらはぎの張り具合を知っておく事も大切です。ふくらはぎの高さを計るだけではなく、
直接ふくらはぎを触って張り具合を確認するようにしましょう。

⑦ふくらはぎの具合を確認
22ふくらはぎ1

・極端なO脚やふくらはぎの張りが強い場合は、それなりの細工が必要になります。
"それなりの工夫"については、別の機会に説明したいと思います。)

 次回から、製図について解説していきます。


  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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