Loading…

#326.スポーツジャケットの仕立て その二十二

Posted by KINN Tailor on 08.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 スポーツジャケットの仕立てを掲載し始めてから、早いものでもう半年が
経ちました。今回からいよいよ袖作りに入ります。

◎袖釦は4つ。2つを本開き、2つを飾りにします。
0半年経ちました

①裏地を裁断する
1裏地を裁断
・裏地に表地を載せてチョークを引きます。
・袖口の所には、釦の位置も示しておきます。


②アイロンでクセを取る
2クセを取る
・山袖の前が下袖に被るようにするため(縫目が見えないように)、クセを
 取ります。
・袖口の折り返し部分も綺麗に折れるようにクセを取ります。
・クセを取った所をたたむと…縫い目になる箇所が内側に入っているのが
 わかります。


③袖を作る
3袖を作る
・袖の前側を縫い合わせて、縫い目を割ります。
・たたむと、右上の写真ようになります。


④袖口の下準備をする
4袖口の下準備
・袖口の折り返しは10cmです。
・力布を折り返しよりも2cm程長く切り、据えます。
・周りは地縫い糸でからげておきます。


袖口の折り返しが10cm!…と聞いて、驚かれる方もいらっしゃると思います
 が、これも私共独特な仕立て方の一つです。
 なぜそうするか?…それは、後から袖の長さを出したい時に対応できるよう
 にするためです。
「釦の穴を開けてしまうのに長くできるの?」と不思議に思われる方のために
 作り方を下のイラストでご説明しましょう。
5袖口イラスト
・上から1~2つ目の穴を飾り穴にしておけば、袖を伸ばした後に穴の位置
 を下に持って行く事ができるのです。


 ご本人のお直しではなく、お子さんやお孫さんへ譲られる方も少なくありません。
そのような時こそ、このやり方で良かった・・・と、つくづく思う瞬間なのです。

 次回は、袖を仕上げていきます。

〈つづく〉

#325.スポーツジャケットの仕立て その二十一

Posted by KINN Tailor on 24.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback

 前回…下襟が付きましたので、今回は上襟を掛けていきます。

①型紙に細工をする
1型紙に細工
・襟の端に真っ直ぐに地の目を通すため、型紙に切込みを入れます。

②上襟を裁つ
2上襟を裁つ
・背中の柄と合うように中心を決め、地の目に沿って線を引きます。
・型紙を当てて描いていきます。襟の身頃側は余分な生地を付けて裁ちます。


③アイロンでクセを取る
3アイロンでクセ取る
・本来の襟はカーブしていますが、地の目を通すために直線に裁ちましたので、
 アイロンで元のカーブに合うようにクセを取っていきます(折り目から上だけ)。
・襟の真ん中が山になり、一度下がってからまた端が上がるように・・・

3アイロンで2
・クセが取れたら、襟の外側を折り押さえます。
・上襟の準備が整いました。


④上襟を掛ける
4上襟をかける
・余分な芯とカラークロスをカットして、襟の形を整えます。
・中心に合わせ、肩から反対側の肩までを柄を合わせて躾で止めて行きます。

4上襟を2
・次に、上襟の端と芯の端に合わせて止めます。
・肩の辺りに来ると、上襟に余りが出ます(型紙に切り込みを入れて拡げて
 裁っているので、長くなっています)。

4上襟を3
・余っている所の両側を手で持ち、外側が丸くなるように手を寄せます。
 そうすると余っている生地が自然と馴染みますので、その状態で止めます。
・…外側が止まりました。

4上襟を4
・続いて、端を折ってカラークロスに挟んで止めます。
・アゴグリや身頃側も止めていきます。


⑤仕上げる
5仕上げる
・止めた所を地縫い糸でからげて、最後に襟の端を折り返して止めます。
5仕上げるの2
*また着てみました。 
 もう春になってしまいましたが、仕上がるのが楽しみです。


上襟を長めに裁つ理由は色々ありますが、一番分かりやすいのは、襟の
 一番外側に付く・・・つまり芯よりも外側を覆うので、少なくともその
 分は長く
ないと綺麗に掛からない・・・という訳なのです。

 さて、次回からは袖作りに移ります。

〈つづく〉

#324.スポーツジャケットの仕立て その二十

Posted by KINN Tailor on 17.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 今回は、身頃に襟を付けてプルダウンをします。

①襟の準備
1襟の準備
・まず、襟にハ刺しをします。
・身頃の切躾をチョークでなぞり、襟を付ける位置を確認します。


②襟を付けていく
2襟を付けて
・襟の位置を合わせ、肩の縫い目から背の縫い目迄を止めます。
・次に襟止まりから、肩の縫い目の手前 2~3cm迄を止めます。

2襟を付けて2
・襟は長めに裁っているので、余っている襟を肩から 2~3cmの間に縮めて
  付けます。
・反対側も同じようにして付け、全体が止まったら地縫い糸で身頃にからげます。


③プルダウンをする
3プルダウン
・はじめは内側からアイロンをかけます。
・襟を縮めた辺りにスチームを充分にかけ、返り線下方向へ伸ばします。
・しっかり伸ばしたら、スチームを止めて熱を加えます。

3プルダウン2
・次に表側からも、襟を縮めた所にアイロンを当てて伸ばします。
・同じように熱を加えます。

3プルダウン3
・肩の縫い目より前に溜まった布を、襟を引きながら伸ばし・・・
・アイロンで押さえます。

3プルダウン4
・襟を折り、同じく下方向へ伸ばします。
3プルダウン5
・今度は、襟の後ろ側を折って、形が出るようにアイロンをかけます。
・外側からも形を出していきます。

3プルダウン6
・着てみました・・・・ 襟が首にぴったり沿って付いています。

プルダウンの説明時には「伸ばす」という言葉を良く使いますので、襟全体
 を伸ばしているような印象を持たれるかも知れませんが、実際には襟を縮めた
 2~3cmの所を重点的に
伸ばしています。
 他の箇所を伸ばしてしまうと、襟が抜けてしまう原因となり、逆効果となり
 ますので注意して下さい。


プルダウンについては、DVD「服部晋の洋服の作り方」の中で詳しく
 説明しています。

 次回は、上襟掛けに移ります。

〈つづく〉

#323.スポーツジャケットの仕立て その十九

Posted by KINN Tailor on 10.2017 ジャケットの話   1 comments   0 trackback
 さて今回は、襟の型紙を作ります。

①襟、肩まわり以外の裏地を始末する
1裏地の始末
・裾を上げ、裏地の脇と裾を縫い付けます。

②身頃の形を写す
2見頃の形を移す
・襟の形とアゴグリをチョークでなぞり、形をハッキリさせます。
・ネックポイントに印を付けて、返り線の延長線からネックポイント迄を
 計っておきます。

2見頃の形2
・チョークで描いた線を、目打ちを使って紙に写します。
・それを鉛筆でなぞります。


③襟の型紙を作る
3襟の型紙
・返り線を延長し、襟止まりの位置を確認して印を付けます。
3襟の型紙2
・その印にプルダウンする量を加えます。
・後中心の幅を描きます。
・襟の外側を描きます。
・首の後ろ側になる箇所を直線で描きます。

3襟の型紙3
      3襟の型紙4
・肩の辺りはカーブで描きます。
・全体の形を整えます。
・型紙が仕上がりました。


襟の型紙の起こし方については、「服部晋の製図」(製図本)でも詳しく
 説明しています。

④芯とカラーロスを準備する
4芯とカラーロス
・型紙を切り取ます。
・芯をカットします。

4芯と…2
・芯をテープでつなぎ、カラークロスに仮止めします。
・折り返し線にミシンを掛けて、余分なクロスをカットします。
・この時に、下側に少しだけ(2mm位)クロスが見えるようにして切ります。
*上側は上襟が掛かりますので、芯と同じ長さで良いのですが、下側は
 カラークロスを直接身頃に縫い付けるので、芯が見える事がないように
 するためです。


 次回は、いよいよ身頃に襟を付けます。

〈つづく〉

#322.スポーツジャケットの仕立て その十八

Posted by KINN Tailor on 03.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 先週に引き続き、肩入れの解説をします。

①肩を縫い合わせる
1肩を縫い合わせる
・前後の肩の縫い目を合わせて、躾糸で止めます。
1肩を縫い合わせる2
・肩は手縫いで入れます。
・穴糸にロウを引き、アイロンをかけてロウを糸に馴染ませます。

1肩を縫い合わせる3
・返し縫いで縫っていきます。
*肩を穴糸を使って返し縫いで縫う理由 
 肩は力がかかる箇所なので、ミシン糸よりも太い糸で縫いたい…という事と、
 返し縫いだとミシン目よりも粗く糸が入るので柔らかく仕上がるという事です。


②アイロンをかける
2アイロンかけ
・縫い目をアイロンで割ります。
・この時も、鉄台の丸みを利用して、肩が前肩になるようにアイロンをかけます。
・表側からもアイロンをかけます。

2アイロンかけて2
・肩が入りました。
・躾で肩の縫い目を押さえます。

2アイロンかけて3着てみる
・ちょっと着てみました・・・
 とても着やすいジャケットになりそうです・・・。


 次回は、いよいよです。

〈つづく〉
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR