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#389.トラブルが出た時の対処の仕方 その四

Posted by KINN Tailor on 12.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 先週(8月5日に)、続きの投稿をする予定でしたが、この暑さで少々疲れて
しまい遅れました。失礼しました。それでは早速、残り3問の解説をします。

Q4)釦を止めると、センターベンツが開いてしまう。

⇨A:原因は2つ考えられます。
  1.この方が反身体のため、後身頃が長過ぎる
  2.この方の腰回りに対して服が小さい
【直し方】 
 1.Q2の直し方と同様に、脇縫い目で調整し、後身頃を短くします。
 2.前身頃の脇を出します。
  この場合は、腰回りだけ出せば良いのですが、短い距離で幅を出すと服
  が綺麗に落ちません。
  図のように、なるべく長い距離で幅を出すようにします。

トラブルQ4


Q5)釦を止めると背中の中心が持ち上がり、裾に向かって斜めのシワが出る。

⇨A:この場合も原因は2つ考えられます。
  1.この方が屈身体のため、後身頃が短か過ぎる
  2.この方の背が丸い事が考えられます(背に肉が付いている、肩甲骨が出て
  いる等)。
【直し方】 
 1.Q1の直し方と同様に、脇縫い目で調整し、後身頃を長くします。
 2.背縫い目のカーブを強くします。カーブを強くする事によって長さも長く
  なります。
  それでも長さが足りない場合は、襟ミツと肩で調整します。背中は計る
  箇所が少なく、どれ位肉が付いているか・・がわかりにくいものです。
  背縫い目をどの位カーブさせれば良いかを知るためには、採寸の際に、
  その方の背中の膨らみ方を掌で良く確認すると良いでしょう。または、
  斜辺裁断を試してみる事をお勧めします。

トラブルQ5

Q6)袖の山にシワが出る。
⇨A:こちらも原因は2つ考えられます。
  1.袖山の上にシワが出ている場合は、袖山が高過ぎる(山が細長い場合
   が多い)。
  2.袖山の幅いっぱいに長いシワが出ている場合は、袖山の丸い部分の
   幅が足りない
【直し方】 
・袖山には縫い代が多く入っていないので、幅を広げられません。まず、袖
 全体を上に上げて袖山を書き直します。そうすると幅の広いところが上に
 行くようになります(幅が出せる)。
・山が高過ぎる場合は、多めに高さを削るようにします。

  トラブルQ6


 今週からお盆休み…という方も多いのではないでしょうか?    
 各地で記録的な暑さが続いています。また今年は台風の当たり年でもある
ようです。皆様くれぐれも体調管理にお勤め下さい。

     *   *   *   *   *   *

 Academyの生徒さんたちと懇親会をしました。
 7月の、まだ暑くなる前の事で、風邪を引いて急遽来られなくなった人も
いました。良く話し、良く食べ、良く笑い・・楽しいひと時でした。
 今ではあの涼しさが懐かしいです。

懇親会

#388.トラブルが出た時の対処の仕方 その参

Posted by KINN Tailor on 29.2019 補正の話   4 comments   0 trackback
 解説の続きです。

Q3)襟の横に下図のようなシワが出る。

Q3のイラスト

⇨A:これは肩のイカリが強い、もしくは前肩である…という事になります。
【直し方】
イカリ肩だけの場合は、後ろ身頃は直さず、前身頃の肩先をイカらせます。
前肩の場合は、基本的にイカリ肩であり前肩という事になります。
 前身頃の肩先をイカらせるだけでなく、襟元も起こします。
 更にアイロンで肩をねじり、図a.の所が浮くようにクセを取ります。
後身頃は、肩幅を広げ糸を入れてイセ込みます。
 更にアイロンで肩全体が前に向くようにクセを取ります。


イカリと前肩

 イカリ肩前肩は日本人にとても多い体形です。

 まずトラブルが出ないようにする為には、採寸をする際に、その人が前肩
かどうか
…よく観察する事が大切です。
 前肩の人の場合、襟元から肩先を手で触ってみると、背中側が丸く前側
がしゃくれている
事がわかると思います。
採寸の際に前肩かどうかがわかれば、パターンを作成する際にその情報を生
かす事ができます。
 しかし「思っていたよりも肩がイカっていた」「採寸時は姿勢が良かった
が、実際に服を着ていつもの姿勢になったら、シワが出た」等々、予期せぬ
事は色々と起きるものです。
 長年の経験から行なっている事ですが、私は採寸の時に「この方はいつも
より姿勢を良くしているな・・」と思った時は、採寸に時間を掛け、自然な
姿勢になる
のを待つようにしています。
 そして、仮縫いが終わる迄は肩周りの生地を多めに残しておく…という事
を必ずします。肩周りに生地が付いていれば、何かあっても問題なく直す事
ができるからです。

 既製服の場合は、残念ながら肩に余分な布は付いていない筈です。少しで
も直したい場合は、(大変な作業になりますが)襟元を下げ、アイロンで、
できるだけ肩先が前を向くようにクセを取るようにします。

 Q4 以降の解説は、次回(8月5日予定)行います。

〈つづく〉

#387.トラブルが出た時の対処の仕方 その弐

Posted by KINN Tailor on 22.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 今回は、前回出題した問題の解答をします。

Q1)ジャケットを着て釦を止めたら襟が抜けてしまう。

⇨A:これは、服の前身頃が下がり過ぎている事を意味します。
  つまりこの人は「屈身体」であるため、前身頃が長過ぎるのです。
【直し方】
脇縫い目を解き、背中を上げます(後身頃の長さを長くする)。
 背中を上げるという事は、アームホールの位置も変えなければなりません。

後身頃側だけで修正するとアームホール自体が大きくなってしまいますので、
 後身頃、前身頃それぞれのアームホールで半分ずつ調整<するようにします。

柄物の場合は、脇縫い目は動かせないので前身頃のネックポイントで調整
 します。この場合も、アームホールの調整は前後半分ずつにします。

*私は、後身頃の肩にも縫い代を1cm強付けるようにしています。
 そうすると無地、柄物に関係なく、脇縫い目を触らずに前後の肩だけで修正
 する事ができます。
対処2-1

Q2)背中の横に余りジワが出る。

⇨A:原因は2つ考えられます。
  1.この人には後身頃が長過ぎる
  2.この人は「イカリ肩」が強い
【直し方】
まず肩から脇の中間位の所にシワを集めるよう摘んで、 (横向きに)ピン
 を打ちます。
 なるべく、一か所(横一本)になるようにしますが、シワの出方によっては
 数本になる場合もあります。

ピンを打った結果、摘んだ量が脇まで比較的同じになった場合は、後身頃
 が長い…と言えます。「反身体」の人に出やすい症状です。

摘んだ量が背の中心に多く、脇に向けてだんだん少なくなる場合は「イカリ
 肩」である…と考えられます。これは、日本人に多い体形と言えます。

後身頃が長い場合は、摘んだ量を脇縫い目で調整します(後身頃を短くする)。
 アームホールも先程と同じように前後で調整します。
イカリ肩だった場合は、摘んだ量分、襟の位置を下げ、それに合わせて肩
 のラインを変えます。

*シワの原因はどちらかだけ…という場合もありますが、両方という事も少なく
 ありません。どこが多めに余っているか…をよく確認する事、そしてその人が
 イカリ肩かどうかを目で確認する事も大切です。
対処2-2

 解答の続きは次回(7月29日予定)に・・・

〈つづく〉

#386.トラブルが出た時の対処の仕方 その壱

Posted by KINN Tailor on 08.2019 補正の話   3 comments   0 trackback
 先日、仕事部屋の整理をしていたら、懐かしい物が出てきました。

 それは、以前私塾に来ていた生徒さん向けに作ったテスト問題です。
 作ったのはかれこれ12~3年前になります。当時は今のように少人数制の
クラスではなく一度に10名位通って来ていました。
 今は自宅で行っていますが、その頃は十条に教室を借りていて充分な広
さがあったのと、借りる曜日の関係で1クラスしか設けられなかった為です。
 そうなると…全員の作業を見るのが精一杯で、個別に時間を取って質問に
答える事がなかなか厳しい状態でした。そこで皆にテストを受けて貰えば、
何が理解できていないかがわかると思い、問題を作る事にしたのです。

 テストをしてみると実力の差がハッキリわかり、「これはなかなか良いな」
と思いました。生徒さん方にも、出来に関係なく好評だったのですが、教室
の場所を移した時にこのテストの存在をすっかり忘れてしまい、先日見つけ
る迄まったく思い出せませんでした。
 そこで、せっかく出て来た事もあり、これから数回に渡り出題してみます
ので、ブログをご覧の皆さんにも考えて頂ければ…と思います。

 それぞれの原因と対処法を、考えてみて下さい。

 【ジャケット編】
Q1)ジャケットを着て釦を止めたら襟が抜けてしまう。
Q2)背中に横に余りシワが出る。
Q3)襟の横に図の様なシワが出る。
Q4)釦を止めると、センターベントが開いてしまう。

トラブル修正1

Q5)釦を止めると背中の中心が持ち上がり、裾に向かって斜めのシワが出る。
Q6)袖の山にシワが出る。

トラブル修正2

 詳しい解説は、次回・・・・

〈つづく〉

#357. O脚のパンツの補正

Posted by KINN Tailor on 14.2018 補正の話   0 comments   0 trackback
 先日、ある生徒さんから「O脚のパンツ補正」について質問を受けました。
日本人でO脚の方は比較的多く、今では矯正グッズやストレッチの仕方など
メディアでも色々と紹介されています。
 女性の場合は矯正する方もいらっしゃるようですが、男性は普段足が隠れ
ていますので、矯正までする事は少ないようです。それでも会話してみますと
結構「O脚である事」を気にされていて、「足が真っ直ぐに見えるパンツにし
て下さい」
…などという注文を受ける事も、ままあります。
 そこで今回は、既成のパンツでの補正の仕方について説明してみたいと思
います。

 まずO脚の方のラインは、具体的には下図のような状態になります。
O脚1**

(1)前の折り目線が外側を向き両足の間は開いて、裾が外を向いています。
---この場合は、足全体が緩やかにO脚になっていると考えられます。
(2)は(1)の状態に加えて、股下に小さなシワがたくさんできます。
---この場合は、O脚がややキツイ状態と言えます。

 これらの共通点は、前中心(a)が下がり気味になっている事です。です
から aを持って引き上げると・・・前の折り目線やシワが綺麗にな
ります。つまり、前中心を上げて脇を下げれば良い…という訳です。
O脚補正2**

 パンツの前中心の位置を下げて脇の位置を上げると、パンツの裾が内側に
寄って来るので、裾が逃げていたのが補正され
、真っ直ぐに下がるようにな
ります。
 また前中心を下げているので、尻縫い目線を深くしないと履きづらくなり
ます。よって、ここも補正が必要です。但し既成のパンツは脇に縫い込みが
入っている可能性は低いので、その場合は前中心と尻の縫い目線で補正する
ようにします。

 次回は…仕立てる際、「裁断の段階でO脚用に変えていく方法」について
説明したいと思います。

〈つづく〉
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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