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#320.スポーツジャケットの仕立て その十六

Posted by KINN Tailor on 20.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 今回は、いよいよ脇入れです。

①まず(脇入れの前に)、裏ポケットの裏地を始末する
1-1裏地の始末
・口の端を指で確認します。
・口の大きさにあわせてチョークを引きます。

1-2
・鋏を入れ・・・・
・裏地を折って止めます。


②前身頃に後身頃を載せて止める
2前身頃に後ろ身頃
・前身頃の脇の縫目にチョークを入れます。
・後身頃は裁ち切りなので、チョークに合わせて載せ・・・
・躾で止めます。


③脇縫い目にミシンをかける
3脇縫い目
・もう片方の身頃も同じように躾で止めます。
・ミシンをかけます(この布は解れ易いので、少し内側を縫います)。
・脇をアイロンで割ります。
*アイロンをかける際には、前身の形をなぞるように、ダキの所には膨らみ
 を付け、腰回りはシャクらせ、お尻周りにまた膨らみを付けるようにアイロン
 をかけます。
・脇が繋がりました。


④余分な布をカット
4多すぎる布をカット
・脇の縫込みの多過ぎる所をカットします。
・裾もカットします。


⑤裾の始末をする
5-1裾の始末
・テープをアイロンで貼ります。
・その後、テープを千鳥縫いで止めます。
・裾を折って、千鳥縫いで止めます。

5-2.png
・次にポケットを裾の上に載せて、地縫い糸で止めます。
・ベントは、上前側は裾を先に折ります。
・下前側は縫い代(縦)を先に折るようにします。
・裾上げが終わりました。

 服を仕立てる手順は、仕立てる人よって変わって来る事があります。
「裏地をいつ仮止めするか・・・」等は、その一例と言えます。
 私のように脇を縫う前に裏地を付けると、脇を縫う際に裏地を一緒に縫って
しまう可能性がありますので、脇を入れてから…という人も多く居ます。
 私の場合は昔からの習慣で、「前身頃が形になった=裏地が仮付けされる」
までが一区切り…となっていたために、今でも何となくその手順で行っています。

 次回は、肩入れを説明します。

〈つづく〉



#319.スポーツジャケットの仕立て その十五

Posted by KINN Tailor on 13.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 今回は背中を作り、裏地を仮止めします。

①背縫い目にミシンをかける
1背縫い目にミシン
・テープをベントよりも長く切ります。
・空き止まり用にも切り、アイロンで貼ります。
・背縫い目にミシンをかけます。


②-1.背縫い目の始末
2-1背縫い目
・背縫い目は割るので、ベントの止まりの上から10cm位を躾で止めます。
・まず、躾で止めた箇所をアイロンで押さえます。


②-2.背縫い込みの始末
2-2背縫い込み
・次に縫い込みを斜めに折りながらアイロンをかけ、徐々に開いていきます。
・背縫い目を割ります。


②-3.ベントの押さえ
2-3ベント抑え
・ベントを押さえます。
・綺麗にアイロンがかかりました。


③ベントの始末
3-1ベントの始末
・ベントに力布を仮止めします。
3-2力布止める
・力布を地縫い糸で止めます。
・後身頃の準備ができました。


④裏地を止める
4裏地を止める
・裏地の背縫目にミシンをかけます。
 背中にキセをかけるため、躾で止めてある所よりも1cm位外側を縫います。
・裏地を背縫目同志を合わせて、躾で止めます。
・後身頃に裏地が仮止めされました。


⑤前身頃に裏地を止める
5-1まず前肩の
・まず前肩のゆとり分を畳み、止めます。
5-2ダーツの位置を合わせ
・ダーツの位置を合わせて、止めて行きます。
5-3前身頃に裏地
・前身頃に裏地が仮止めされました

 次回は脇入れ肩入れです。

〈つづく〉

#318.スポーツジャケットの仕立て その十四

Posted by KINN Tailor on 06.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 今回は、身頃の裏地を裁ちます。

①裏地に前身頃を置く
1裏地に前身置く
・身返しの止め糸より前に、裏地の端が来るようにして身頃を置きます。

②肩からアームホール前側にチョークを入れる
2肩からアームホール前後チョーク
・肩から約2cmのところにチョークを引き、更にそこから4cmの所にチョーク
 を引きます。
・この4cmは前肩の動きの為の"ゆとり"になります。
・アームホールも約2cm大きくチョークを引きます。
・裾は身頃の仕上がりと同じ位置にチョークを引きます。


③サイバラの裏地を裁つ
3サイバラ裏地断つ
・前身頃から約2cm離した所にもう一度身頃を置き、サイバラ用の裏地を裁ちます。
・この時点では身頃とサイバラの縫い合わせは直線で書いておきます。


④腹グセを取る
4ハラグセ取り
・ポケットの高さと大きさを計る。
・このポケットは斜めなので、斜めに腹グセを取る。


⑤ダーツを取る
5ダーツ取る
・ダーツの長さを計り、ダーツを取る。

⑥裾を調整する
6裾を調整
・ハラグセを取った分、裾を下げる。
・約4cm折り込み分を付ける。


⑦前肩のゆとりの印を付ける
7前身ゆとり印
7-3.png
・②で取った、前肩のゆとりのたたむ位置を確認して印を付けます。
・私共では横向きに裏地をたたみますが、縦向きに取っても構いません


⑧裏地を切って調整する
8裏地切って調整
・裏地を切ります。
・前身頃と腹グセの縫い合わせを直線で引きましたので、適当にカーブを
 付けて調整します。


⑨後身頃を裁つ
9後ろ身頃断ち
・後身頃も同様に約2cm付けて裏地を裁ちます。
・身頃の裏地がカットされました。


 次回は、後身頃のベンツの処理裏付けです。

〈つづく〉






#316.スポーツジャケットの仕立て その十三

Posted by KINN Tailor on 20.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 さて今週は、身返しを据えていきましょう。

①身返しの下半分を躾で止める
1躾で止める
・身頃の第一釦の位置を確認します。
・身返しの位置を合わせて載せ、第一釦から下を躾で止めます。


②上半分を止める
2_1上半分
・第一釦から上を躾で止めていきます。
・身返しの外側に出っ張らした所を、身頃の端に合わせて内側に入れ込んで
 止めます。
・ラペルの角も、身返しがあまるように、両側から生地を寄せてきて止めます。
*身返しの形については、〈♯313 ⑥:裁ち合わせのイラスト〉をご覧下さい。

2_2.png
・躾が止め終わりました。
・ラペルの角はご覧のように膨らんでいます。


③ミシンを掛けて割る
3ミシンかけ
・ミシンを掛けた後、まず身頃側をアイロンで割ります。
・地縫い糸でからげます。


④身返し側も止める
4見返しも
・身頃の襟どまりに鋏を入れて、ラペルの部分も割ってからげます。
・身返し側は第一釦から上は柔らかくアイロンをかけ、釦から下はしっかり
 内側に引きながらアイロンをかけます。
・同じように地縫い糸でからげます。

4_2.png
・ラペルの角は三角に折ってからげます。

⑤身返しを返す
5_1見返し返し
・身返しを返して躾で止めてアイロンをかけます。
5_2.png
・袋布を芯に止め、身返しの内側に躾糸を入れます。
・身返しが返りました。服としての"表情"が出て来ました。


 次回は、裏地"裁ち合わせ"です。

〈つづく〉

#315.スポーツジャケット その十二

Posted by KINN Tailor on 13.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 先週に引き続き、お台場のポケット作成です。

⑧口を切る
8口を切る
・口から3㎜の所にミシンをかけたら、口を切ります。
・裏ポケットをタマブチで作る場合もありますが、私共では昔から
 揉みタマブチです。
※今回は生地がほつれ易いので3㎜としましたが、通常はもっと細くします。


⑨口布を止める
9口布
・切った口に、口布を返して止めて行きます。
・名前の通り、正に手で揉んで口が細くなるようにして止めます。
・口が返りました。


⑩袋布を処理する
10袋布処理
・重ねる袋布の口にあたる所に裏地を付けます。
・二枚の袋布を合わせて、躾で止めてミシンをかけます。


⑪袋布を完成させる
10袋布完成
・ミシンで縫った後、余分な布をカットして袋布を完成させます。

⑫ポケットの口と袋布が完成
12ポケットの
・揉みタマブチは口が細いので、仕上がりが綺麗で、私は気に入っています。

⑬三角蓋に釦ホールを作る
三角蓋にボタンホール
・私共では、布を三角にたたんだ方を裏側にして釦ホールを作ります。
 (たたんだ方を表に使う方もいらっしゃいます)
・釦ホールの位置をチョークで印、周りにミシンをかけます。
・釦の穴を開けます。


⑭穴をかがる
14穴を縢る
・三角蓋なので、ハトメ穴ではなく、"ねむり穴"にします。
(三角蓋は、長方形の生地を折って三角を作っています。穴を開ける所は
 生地と生地がたたまれた間なので、ねむり穴でないと上手くいきません)
・三角蓋ができました。


⑮蓋を付ける
15蓋を付ける
・ポケットの口の丁度良い位置に蓋を刺し込み、止めます。
・私は、万年筆が入る位開けるようにしています。


⑯仕上げる
16仕上げる
・口にハトメを入れて完成です。なかなか上手くできました。

□糸とロウ
おまけ
・手縫いをする時には、糸巻きから糸を引き出した後、一度強く引き直し、
 指で弾いてから糸を切り、ロウを塗ります。
・糸を強く引くのは、糸巻きに巻かれていたクセを取るためです。
(穴糸だと、弾いた時なかなかいい音がしますよ!)



 次回は、身返し据えです。

〈つづく〉






  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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