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#68.生地の話 シルク

Posted by KINN Tailor on 12.2012 生地の話   0 comments   0 trackback
 先日、久し振りに関西のお客様からご注文を頂戴しました。一度にお2人
のお客様からのご注文でしたので、私が関西へ出張することにしました。
 出張の際には、あまり沢山の生地見本を持って行くことができませんし、
生地を選ぶ段階で何度も伺うことは難しいので、予めご要望を伺うようにし
ています。
 その内のお1人の方が「春先に着るオーバーコート」をお考えで、生地は
「ボッテリシルク」を探して欲しい…とのことでした。
ボッテリシルクとはボッテリとした感じの厚みのあるシルク…という意味
だそうで、ご希望のような厚手のシルクというのはあまり多くないので、
取引のあるいくつかの生地屋さん連絡をし、近い物やお薦めの物のサンプル
を送ってもらいました。
 するとその中に、とても珍しい「厚みのあるシルクの生地」がありました。
これは、シルクをベロア風に起毛していて、一見するとまるでカシミア?と
見違えるような風合いです。
 実際にご来店になった何人かの方に見て頂きましたが、一人残らず「カシ
ミアみたいですね
」とおっしゃったくらい、巧く起毛されていて、しかも
どっしりとした重厚さがあるのです。
 メーカーの話では、シルクに起毛をかけるのは大変に難しい技術だそうで、
メーカーとしても「会心の出来」なのだそうです。

 ご注文されたお客様もとても気に入って下さいました。更に折角出張先に
持って行きましたので、もうお1人のお客様にもお見せしたところ、こちら
も大変興味を示され、何と色違いの物をご注文されたほどです。
 読者の皆様に触って頂けないのが残念ですが、このシルクは国産の絹を使
って作られたそうで、その風合いといい、発色といい実に素晴らしい物です。

 かなり以前になりますが、ご婦人のお客様がシルクとウールの混紡の布
使ってスーツを作られました。その方は教師をしておられたので、入学式や
卒業式の際にそのスーツを着て生徒達と一緒に記念撮影をされるのですが、
写真ができ上がって見ると、皆黒い服を着ているのに(ご婦人のスーツも黒
です)ご自分の服だけが素晴らしい光沢があり、しかも大変品が良く写って
いたので、とても嬉しくなった…とおっしゃっていました。
 やはり、天然素材の素晴らしさ…という物にはいやらしさがなく、誰が見
ても納得できるものなのだなぁ、とつくづく思います。
シルク生地オーバー
        ・関西のお客様からご注文頂いたコート


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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