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#63.蝶ネクタイの話

Posted by KINN Tailor on 06.2012 アクセサリーの話   0 comments   0 trackback
 私の若い頃には、スーツに蝶ネクタイをなさる方が結構沢山いらっしゃい
ました。父も好んで使っていましたし、ちょっとお洒落な印象でした。

 さて、正式の蝶ネクタイは棒タイが変形したような形をしていて、首の前
花結びにしますが、現在ではなかなか市販されていないようです。
 一般に売られている物は、最初から結んだ形になっていて、首に巻くだけ
で済む物もあります。一番簡単なものは、図aのような形をした物を2枚重ね
て、真ん中を細い布で止めて蝶の形を作っています。このような蝶タイは、
首周りの寸法に合わせて長さが調整できるようになっています。
    図a 一般の蝶タイ*

 ただ残念なことに蝶の部分が結んでありませんので、花結びとは形が違う
のですね。正式の蝶ネクタイは図bのような形をしています。
   図b*

 前回ネクタイの作り方をご説明しましたが、普通のネクタイは生地のバイ
ヤスを使うのに対して、蝶ネクタイは縦の生地を使います。
 ディナージャケット(タキシード)の場合は、襟にかけるフェーシング
(拝絹地)を使って作ります。生地を上図のような形に裁ち、2枚布を重ね
てミシンで縫い合わせ、ひっくり返します。
 蝶ネクタイの結び方は1種類ですから、お客様の首の長さに合わせて作ら
なければなりません。普通は、首の寸法をお測りして仕上げますが、中には
蝶ネクタイを仮縫いをされる方もいらっしゃいました。

 この蝶ネクタイで一番大変な事は、「結ぶ」ということかも知れません。
馴れていないとバランス良く花結びにするのが難しく、時間もかかります。
それというのも鏡の前で結ぶ訳ですから、向きが逆になり、それに馴れる
必要があるのです。
 馴れるまでは大変ですが、この蝶ネクタイは花結びになるので蝶の部分の
外側がワナになり、3枚重ねになりますのでボリュームが出ます。そのため
か仕上がりに風格があります。
 更に結ぶ人の個性というか…何となく結ぶ人によって雰囲気が違ってくる
ので、私はこの花結びにするタイプのものをお勧めしています。
 ディナージャケットの場合は、拝絹地を使うので普通無地ですが、柄物の
を使ってもなかなか素敵だと思います。
 またスーツの場合でしたら材質は絹とは限りませんし、結ぶ形も細長い物、
先の尖った物、そして幅の広いもの狭い物・・・と色々楽しめる訳です。

 是非、大勢の方に蝶ネクタイを気軽に楽しんでいただきたいものです。



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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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