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#56.ノーフォークジャケットの話

Posted by KINN Tailor on 19.2011 デザインの話   0 comments   0 trackback
 今年は「ハリスツィード」が誕生して100年になる…とのことでツィード
の商品が人気となっています。
 私共のプレタポルテ『Equality』でも、ツィードの生地を使う物がなか
なか評判のようです。
 ツィードというと「カントリーウエア」ということになりますが、中でも
「ノーフォークジャケット」のご注文が多くありました。
 確かに、せっかくツィードでジャケットを作るのだから、ノーフォクの方
が雰囲気が出て良い…とお考えになるのも当然かも知れません。

 ご存知のように、ノーフォークは背中にヒダが取ってあるので、腕の動き
が大変楽になり、スポーツをするためのジャケットとしては大変適している
と言えます。
 昔はゴルフをする時にジャケットを着用してプレーするのが普通でしたの
で、ノーフォークは正に"うってつけ"のジャケットだった訳です。
 さて背中のヒダですが…真ん中に割と大きなハコヒダを取るのが一番よく
見受けられる例です。
 ちょっと変わった例ですと、背中にヒダを何本も取っているものもありま
すし、両脇にヒダを取る物もあります。作る側の立場から言いますと、これ
が一番難しいデザインで、難しいポイントは2つあります。
 まず、両脇のヒダは肩まである長いヒダになりますので(上部は止めてあ
りますが)、袖を動かした後、ヒダが元の通り奇麗に重なるようにしなけれ
ばなりません。
 そして、もう一つはヨークがないということです。他のものは図a~cの
ようにヨークがあり、そこでダーツを取って背中の膨らみを出す補助にして
いますが、これは、それができないのです。ですから、肩のところをイセて
膨らみを出す
のですが、肩先はヒダが重なっていて厚くなっていますから、
これを奇麗にイセる技術が必要になってきます。
ノーフォーク 画**
 近頃はストレッチの生地やニットの生地がとても進歩しましたので、ヒダ
を入れなくても動きやすいのかも知れませんが、背中にヒダのあるジャケッ
トを"遊び着"用に持つというのも悪くないと思います。
 またお客様の中には、ノーフォークをツィードでなく、シルク混などを使
った綺麗な織柄のある生地で作られる方もいらっしゃいます。
 シルクは独特の上品なツヤがありますので、スポーティというよりかなり
お洒落なジャケットになります。
 個人的にはノーフォクジャケットは好きなデザインの一つですので、今年
は色々な生地でお作りすることができ、ちょっと楽しみな年の瀬を迎えられ
そうです。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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