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#51. ズボン吊り

Posted by KINN Tailor on 15.2011 アクセサリーの話   2 comments   0 trackback
「ズボン吊り」…というと大層古臭い言い方に聞こえるかも知れませんが、
私の若い頃はこの呼び名が一般的でした。
 英国でブレイシス(braces)、米国ではサスペンダース(suspenders)
と云い、日本では「サスペンダー」と単数形で呼ぶのが一般的です。
 最近ではお洒落なアクセサリーとして使われることが多いようで、本来
"ズボン吊り"としての使い方をされている方はとても少ないようです。

 まず、ズボン(パンツ)を吊るすメリットとは何でしょうか。それは、
一にも二にもスタイルが良く見えるということです。ズボン吊りをすると
ズボンが綺麗に下がり、足が真直ぐでスラッとして見えます。
 また、本来のズボン吊りを使うズボンは通常のものと形が違いますので、
ベストを短く作ることができます。ベストが短くなるということは、腰の
位置が高く見え、足が長く見える効果
があります。服全体として足の部分
の比率が長くなる訳ですから、身長も高く、ほっそり見えてくるのです。

 さて、このズボン吊りは大きく分けて2種類(やかましく言うと3種類)
あります。
ズボン吊りa
 a.が普通のタイプでb.がホルスター型、ごく稀にa.の型で後側が1本しか
ない物もあります。
 またズボンを留める所が「ボタン」の物と「クリップ」の物があります。
かなり昔(私は見たことがなく父の談ですが…)英国には随分凝った物が
作られていたようで(下図参照)、ズボンに留める部分がそれぞれ2つに
分かれ、それが鎖で繋がっていて、更にその鎖が滑車にかけてある!…と
いう代物です。
ズボン吊りb
 この滑車のお陰で身体の動きに合わせてズボンが動くので、とても具合
が良かったそうです。私共は使っていませんでしたので、残念ながら実物
をお見せできませんが、当時はロンドン郊外でおじいさんが一人で作って
いたそうです。

 ズボン吊りをすると「肩が凝る」という方がいらっしゃいますが、ズボ
ン吊り用の物
を履けばこの問題は解決するのではないかと思います。
ズボン吊り用c
 上図左側がベルト仕様のズボン、右側がズボン吊り用です。ズボン吊り
用は普通のものよりも4~5センチ股上を深くします。図のように、ベルト
をする位置で後の縫い目の所を一度絞り、そこから
上は緩めておきます
 このデザインですと後のくびれた所で一度引っかかるため、ズボン吊り
を強く締めなくてもズボンが落ちてきません。
 このズボンはとても履き心地が良いようで…先日もスリーピースを注文
されたお客様がズボン吊り用になさったのですが、すっかり気に入られて
「いやぁ、ズボン吊りのファンになりましたよ」と、おっしゃってていま
した。
 今までサスペンダーで肩が凝っていた方や、サスペンダーに興味をお持
ちの方は、是非股上が深めのズボンで試してみて下さい。




いつも大変お世話になっております。毎回、愉しく拝読しています。ズボン吊りですが、位置付けとしましては、ややカジュアルになるのでしょうか。ご教授いただければ幸いです。

2011.11.17 23:32 | URL | 丸田秀一 #- [edit]
丸田秀一様

 こちらこそ大変お世話になっております。コメントありがとうございます。
最近は少し派手目なサスペンダーをベストを着ないで見せるような、
アクセサリー的な使い方をすることが多いのでカジュアルな印象を
持たれるかもしれませんが、元々は三つ揃いや礼装で使用するものですので
格が上になります。
今後とも宜しくお願いいたします。
2011.11.18 10:59 | URL | 服部 晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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