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#45.釦の話

Posted by KINN Tailor on 03.2011 アクセサリーの話   2 comments   0 trackback
 先日の「オリジナルの小物」記事に対して「モノマガジンで釦特集をして
いた」という情報を頂き、さっそく雑誌を読んでみました。
 改めて、沢山の種類の釦があることに感心しました。私も色々な釦を取り
扱ってきましたが、その中でも印象に残っている釦がいくつかあります。

 私が若かった頃、付属屋さんで釦の研究をされている方と偶然知り合った
ことがありました。その方は天然素材を使った釦を色々作っていましたが、
その時に水牛の角で作ったものを持っていました。
 「水牛の釦」自体はさほど珍しいものではないのですが、その釦は水牛の
角をそのまま輪切りにしたもので、釦の周りには皮が付いていて、大きさも
全て違う
ものでした。
      釦の話1
「これは面白い!」と思い、その時にあった釦を全て買ってしまいました。
100個位あったでしょうか・・・。最初は沢山ある中から同じような大きさ
のものを探して使っていましたが、徐々に数が減り、サイズを合わせるのに
苦労した覚えがあります。今では2個しか残っていませんので、これは記念品
として保管しようと思っています。

 また幻になってしまった釦もあります。
 第一回目でご紹介した大変お洒落なN氏ですが、付属品にも凝る方でした。
ある日「モールで家紋を刺繍した釦はできないだろうか」と相談されました。
私の母方は“金銀モール屋”でしたのでさっそく聞いてみたのですが、「釦は、
嵌めたり、外したり…摩擦が多いのでモールの部分がすぐに痛んでしまう
ではないか?」ということになり、残念ながらこのアイデアは実現しません
でした。
 もし出来ていたら、それはそれは華やかでお洒落な釦になっていたと思い
ます。

 最近では、あるお客様からオーバーコートのご注文を頂いた際に付けた釦
がとても印象に残っています。
 その方は、ご自分でオーバーコートのデザインをなさり、釦も長い時間を
かけて探された物をお持ちになりました。
 かなりボリュームのある個性的なデザインのコートでしたが釦も大変迫力
があり、更に驚いたのは釦の一つ一つに、どの位置に付けるかの指示が書か
れた付箋が付いていたことでした。
 確か釦には見事な斑(フ)が入っていて、斑の入り方によってそれぞれの
表情が違います
。前に8つ、後のベルトに2つ、袖口に2つ付いていますから、
それぞれの位置を決めるのにとても時間をかけられたのではないでしょうか。
 これ程個性的な釦を選ばれて、位置まで決めてこられたのは、"仕上がりの
イメージ"
をしっかりお持ちなのだな…と思いました。
 コートを納めさせて頂いた時は既に3月下旬でしたが、その年に限って4月
に入っても寒く、予想以上にお召し頂けたのでは?…と嬉しく思ったのを覚
えています。
釦の話2


ボタンには何となく拘りがありました。
若いころ父のお下がりの麻シャツのプラスティックボタンが気に入らなくて、
自分で当時神戸大丸で黒蝶貝のボタンを探し、付け替えたりしてました。
このコートのボタンは、服部様に見せて頂いた重厚で年代物のメルトン生地に合うボタンは、現代もので通常流通しているモノでは合わなそうなっだので、ボタン屋を数件回って探したモノです。厚みがあり、重厚な仕立てにマッチしつつ、堅苦しい雰囲気にならない長く付き合える相棒と言えるコートに仕上げて頂きました。ありがとうございます。ただし、脱ぐと敷布団でも抱えているか感違いする荷物に変身します。
撮影から帰ってきたコートはクローゼットの中で寒い冬の出番を待っています。

ブログで取り上げられていた皮つきホーンボタンは、ハイランド地方のジャケットにも使われていますね。現在でも日本国内で作られている方も居られます。
ところで、ジャケットやウェストコートに用いるボタンで過去にどんなお使いになられたか興味があります。様々な時代の様々な立場の拘り派の方は、どのようなボタンを選ばれたのでしょうか?
2011.10.08 18:22 | URL | リカルド #- [edit]
リカルド様
 この度は撮影にご協力頂きまして、ありがとうございました。
ご質問につきまして考えてみました。
ボタンに凝る方もいらっしゃいましたが、どちらかというと服のデザインに凝って
ボタンは任せる、という方のほうが多かった様に記憶しています。
今後とも宜しくお願いいたします。
2011.10.17 10:59 | URL | 服部 晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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