FC2ブログ
Loading…

#403.お客様の服_ボックスプリーツのポロコート その壱

Posted by KINN Tailor on 24.2020 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今回も、お客様の服をご紹介します。
 前回、「スポーツジャケット」をご紹介しましたが、同じお客様の「ポロ
コート」
も、大変凝ったご注文でしたので、是非ご紹介したいと思います。

 お越し頂いた際に雑誌をお持ちになり、「このポロコートと同じデザイン
で…」とおっしゃいました。生地はカシミアではなく「キャメル」がご希望
との事でした。 キャメルは以前は良く使われていましたが、最近はあまり
お目に掛からなくなりました。それでも英国製の質の良いキャメルを運良
く入手でき、「これはいい!」と喜んだ迄は良かったのですが、問題はその
デザインでした。
 持参された雑誌には、ルチアーノ・バルベラ氏がポロコートを着て、幾つ
かポーズを取っている写真が載っていました。
 特徴的だったのが後姿で、「ボックスのプリーツが3段重ねて取ってある」
デザインでした。(下図参照)。

ポロコートデザイン**

 雑誌には、裾から腰の辺り迄の写真しかありませんでしたので、「多分、
背中にヨークを付けてプリーツを消しているのだろう」…と思い、その事を
お伝えしたところ、「ヨークは好きでないので、プリーツを背中まで付けて
欲しい」との事でした。・・・さて、ここから散々悩みました。
 プリーツ3段と言っても一番奥のプリーツは短めでしたので、裏から別布
を付ければいい筈なのですが、上の2段は畳んで重ねる事になりますので、
生地が5枚重なる事になります。
 5枚重ねた状態では背中が厚くなり過ぎるのでは?…とか、襟元が厚くて
衿が綺麗に付かない
のでは?…とか。そして背中の真ん中に縫い目がない
デザインなので、後身頃を1枚で裁つ事になるが、縫い目がないという事は、
一番奥の途中から付けるプリーツの縫い代などはどうすればいいのか?…
等々、心配事が山程ありました。

 とりあえず生地を畳んで厚さを確かめ、どうにか薄くする方法はないか
…を、まず考えました。
 今迄、かなり斬新なデザインの服も作ってきたつもりでしたが、デザイン
面では今回が一番悩んだかも知れません。
 色々とやってはみたものの結局良い方法が見つからず、仮縫いの際にもう
一度お客様と相談しました。
 お客様は、「厚くてもいいので、プリーツのままヨークは付けないで…」
とおっしゃいましたので、5枚重ねたまま背中を作り、襟元の内側の布
"さらって"付ける事にしました。
 散々悩みましたし、仕上がりが心配ではありましたが、でき上がってみる
と、とてもスッキリ!…いい味のコートになり、本当にホッとしました。

 その素敵なコートの写真は、次回たっぷりご覧頂きたいと思います。

〈つづく〉


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://kinntailor.blog98.fc2.com/tb.php/520-9a92a35b

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR