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#37.サン・クロス

Posted by KINN Tailor on 08.2011 生地の話   0 comments   0 trackback
 毎日蒸し暑い日が続いていますが、今日は季節にちなんだ暑い国の話です。

 英国がインドを統治していた時(1858年~)、英国人が高官としてインド
へ赴任した訳ですが、その頃作られた服には「サン・クロス」という生地が
盛んに使われました。
 生地としては特に薄く織られている訳ではなく、裏が赤い色をしているの
が特徴でした。聞いたところによると、インドは太陽の光がとても強いので、
なまじ薄い生地だと中まで光が透ってしまい、ちっとも涼しくないのだそう
です。裏が赤いと太陽光を反射する力があって、具合が良いのだそうです。
 私の店にもイギリス大使館の方が何人かお見えで、夏にサン・クロスの服
を作られる方も結構おいでになりました。
 一時サン・クロスは姿を消していましたが、ここ何年か復活しているよう
で、バンチ(生地見本)で見つけると懐かしく、また嬉しく思います。
 ただ日本は湿度が高いので、「クールビズ」にはならないと思いますが、
着心地がサラッとした感じで、風の通りは良いように思います。
 生地の厚味からいえば合い物で、色味が綺麗なのでお洒落着として選ばれ
る方が多いようです。

           サンクロス 画像*のコピー
    
 *上が表地 生地は肉厚で日本では合着に丁度良い

 上の写真をご覧頂くとお分かりになると思いますが、裏の綺麗な赤色が表
に滲み出す…というか、玉虫色のような感じでなかなか素敵です。
 お客様の中にはスリーピースになさって、ベストを2枚作り、1枚は赤い方
を表にされて楽しんでいる方もおられます。
 更に、この服に合わせて帽子を作られた方もいらっしゃいました。夏用の
パナマ帽にこの布の赤い側が帯として巻いてある大変お洒落なものでした。
 サン・クロスは布そのものの本来の目的とは別に、色や柄で違う使い方を
される珍しい生地
の一つではないか、と思います。

 もう一つ、インドから流行したものが「サッシュベルト」です。インドの
王族などがよく上着の下に着用していた腹巻状の飾りベルトですね。
 ディナージャケットを着る際、正式にはベストなのですが、暑さ対策の為
ベストの代わりにサッシュベルトを使った訳です。
 今では「カマーバンド」と呼ばれて、ベストより多く使われています。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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