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#36. プルダウン:その参

Posted by KINN Tailor on 01.2011 襟の話   2 comments   0 trackback
 襟が浮いてしまう原因が、どうも「アゴを伸ばした時、曲線の部分が直線
に近くなること」であるらしい…と判ったので、アゴグリ(アゴのカーブ)
の作り方を、伸ばした時に丁度良い形になるよう
に変えてみました。
 つまり、図aを基本形とすると、図bのようにするのです。
 図aを伸ばすと図cになりますが、図bを伸ばすと図dになり、もともと
のアゴグリの形に近くなります。
 この状態にしてから襟を付けてみたら、見事に"浮き上がり"が解消したの
です。
図1 アゴグリ*
 
 次に、アゴグリのどこを中心に伸ばすのが良いのか…を研究しました。

 最初は均一に伸ばしてみたのですが、どうも上手くありません。次に下の
方を伸ばしてみると、肩のくせが上手く出ませんでした。
 結果としては、ネックポイントに近い部分を伸ばすと具合が良いことが判
りました。
 そこで、今まで後から付けていた襟を、まずネックポイントの所にイセ込
んで付け、一緒に伸ばす
ことにしてみました。
 そうすると、アゴグリも襟も同じように伸び、綺麗に仕上がったのです。
 これで、幾つかの難題が解決し、プルダウンが完成した訳です。

 このプルダウンを完成させたおかけで、嬉しいオマケも付いて来ました。

 アームホールの形が卵形の尖った形になり、それに合わせて袖を製図する
と、今までよりも袖山の頂上が前になったのです。

図2 アームホール*

 これは、私の袖の裁断に大きな影響を与えることになったのですが、これ
により腕の動きが良くなり、横から見て独特の形状を持つものになりました。
 長い時間を費やしましたが、「襟・肩・袖を一体に作る」というテーマも
実現したことになります。

これらすべての始まりが、最初に記述した…襟周りにこだわりのあるお客
様T氏がいらしたからで、完成するまでの間色々と試させて頂き、また沢山
のご意見を頂けたことにも深く感謝しています。
 "ものづくり"に終着点はありません。今後も更なるスーパープルダウンを、
皆様にご紹介できるよう、精進していきたいと思っています。

初めて
いつも拝見させて頂いてます

プルダウンについての記事大変興味深く読ませて頂きました。
プルダウンとは。。。と頭に?が飛んでいたので今回謎が解け
謎が解けた故に更に服部先生の技術に頭が上がりません

貴重な技術、知識をありがとうございます。
これからも更新楽しみにしてます。
2011.08.01 12:17 | URL | ogwann #- [edit]
> コメントありがとうございます。
> 最近プルダウンという言葉が独り歩きしている傾向がありますので、
> 今回のブログでわかって頂ければ・・と思ていましたので、
> このようなコメントを頂き嬉しいです。
>
> 今後とも宜しくお願いいたします。
2011.08.02 11:49 | URL | 服部 晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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