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#380. 新しい裁断法によるパンツ その四

Posted by KINN Tailor on 15.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 私が次に目を付けた、後ポケットのダーツについて少し説明します。
 後ポケットのダーツを取ると、下図のように脇の縫い目が内側に入ります。

新裁断パンツ4 イラスト1**

 一般的な体形で考えますと・・・人の身体はお腹側が膨らみ気味で、その
反対側…つまり腰のラインの背中の所が凹んでいます。ですから、上の図
のように脇が内側に入っているのは上手くない訳です。
 そこでアイロンでクセを取り前身側に向くようにします。

新裁断パンツ4 イラスト2**

 私が考えたのは、このクセ取り作業を省けないか?・・・という事でした。
普通お尻の膨らみを出すためには、ダーツを取らない訳にはいきませんが、
この脇の線が内側に入ったままでは、歩きにくく、座り心地の悪いパンツに
なってしまいます。
 クセ取りは絶対に必要な作業ですが、ダーツが2本も入っていて比較的
い距離でカーブ
させなければなりませんので、難易度が高い…と言えます。
 そこで私が考えた解決方は、縦に取るダーツを横に移動させる…という事
です。つまり(下図のように)本来の縦ダーツ長さの所で脇の縫い目まで切り
離し
、ダーツを取った分生地を曲げて裁断をします。

 新裁断パンツ4 イラスト3**

 この"横向きダーツ"で、脇の縫い目が前身側に向くかどうか?…疑問に
思われる方もいらっしゃると思います。それは、この後実際に仕立てている
工程でお見せしますのでご確認下さい。
 さてポケットですが…せっかく横向きに縫い目がある訳ですから、これを
利用する事にしました。
 新しい裁断法として試してみたのは、後身頃を2枚に分ける事と、後ろの
ダーツの位置を移動させた
事…その2点になります。
 実際に仕立てて、履いてみた感想をお伝えしますと・・・
しゃがんだ時に腰がきつくならない
立ち上がった時の尻から腿にかけての"たるみ"が少なくなった
今迄のパンツよりも履き心地が良い
 …など、幾つかの効果を実感しました。

 次回からは、実際に作る工程に入って行きます。

〈つづく〉


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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