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#34.私塾の話

Posted by KINN Tailor on 18.2011 私塾の話   2 comments   0 trackback
 私の私塾は、個々の生徒さんが自分のテーマを決め、それぞれ別々のこと
を勉強しています。
 製図をしている人、縫製を勉強している人、アイロンワークを習っている
人…と様々です。
 ただ、「思い通りの服が出来ない」「仮縫いの時の不具合が直らない」と
いう話題になると、皆さん手を休めて「補正の仕方」を聞きたがります。
 今日は最近相談をされた間違いやすい例をいくつか取り上げてみたいと思
います。

 少しO脚の方がパンツを作られたら、パンツが真直ぐ下がらずに裾が外側
に開いてしまった
そうです。お客様から裾を内側に入れて欲しいと注文され
て、パンツ内側の縫い目で裾をつめてお納めしたら、「前よりひどくなった
じゃないか」とお叱りを受けた…という相談がありました。
 これは良く間違える例の一つです。裾口を中に入れるには内側の縫い目を
つめれがよさそうな気がしますが、これをやると、パンツは更に外を向いて
しまうのです。
画像1 O脚*
 同じような例で、ジャケットの袖口を内向きにするというのがあります。
ハンガーに吊るして展示する場合、袖口が内側に向いている方が綺麗に見え
るために、そうするようです。
        画像2 袖口内側*

 袖は山袖と下袖を縫い合わせて作られていますが、山側の前の袖口を広く
して下袖の袖口を狭くすれば、山側が余計にかぶさって内側を向くと思って
補正をしていたようです。
 袖の縫い目が直線でしたらこの理屈で良いのですが、山袖の前の縫い目は
カーブして下袖より短い
ので、縫い合わせる時に山袖側を伸ばすことになり
ます。伸ばすと袖は外を向いてしまいます。袖口を広くするということは、
更にカーブがきつくなり短くなる訳ですから、逆の補正をしていた
…という
ことになります。
        画像3 袖*

 最後に、日本では襟が首にピッタリとくっついている方が好まれるため、
カーブした襟を作り、このカーブをプレス機でつぶして(縮めて)襟を密着
させようとしていた例があります。ところが・・・
 残念ながら、つぶせばつぶすほど、襟は首から離れやすくなってしまう
です。
 補正は自分が直接たずさわらないと経験出来ないことですから、私塾
で他の人の補正の話を聞ける…というのはとても貴重な体験のようで、応用
を身につけるのに、多少役立っているように感じます。

こんにちは
毎回愉しく拝読しております
私は岐阜生まれなのですが
祖母から
「服部さん」という苗字は「服」に携わる方に多い
と聞いた事があります
何代前からお洋服作りをなさっておいででしょうか?
2011.07.22 22:34 | URL | #- [edit]
コメントありがとうございます。
「服部」という名字は「機織部(はたおりべ)」から由来しているといわれていますので
「服」関係の仕事に携わっている方が多いのではないでしょうか?
私の家は祖父が婦人服屋でしたので、そこから数えると二代前からということになります。
今後とも宜しくお願いいたします。
2011.07.25 15:56 | URL | 服部 晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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