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#33.プルダウン:その壱

Posted by KINN Tailor on 11.2011 襟の話   1 comments   0 trackback
 私の仕事の、最も大きな特徴が「プルダウン」です。
 この技法を思いついたのが35才くらいの時ですから、早いもので既に45年
程行っていることになります。
 このプルダウンは、お客様の一人に"襟まわり"のご希望が大変難しい方が
いらして、どうにか"襟・肩まわり"をうまく作りたい…と工夫している最中に
考え出したものなのです。

「日本人は前肩だ」とよく言われます。確かにその通りで、欧米の人に比べ
てやや「怒り肩」で前肩です。昔から研究熱心な先輩諸兄が色々と工夫して
前肩に服を作る技法を考え出していました。「肩ぐせ」という名で呼ばれて
いて大変大事な技法のひとつでした。
 勿論私も勉強をしましたが、どれをやってみても「これが完全」と言える
物がありませんでした。更にあくまでもだけのことであって、には
それぞれ別の「くせとり」がありました。
 色々と研究しているうちに、どうもだけ独立して考えるのは間違いでは
ないか…と思うようになりました。つまり「襟・肩・袖まわり」を一体に考
えるべき
だ…と思うようになったのです。
 そしてある時、「思い切って襟まわりを伸ばしてみようかな?」と思いま
した。これは一般的には「絶対にやってはいけないこと」なのですが、何を
やっても上手くいかなのだから思い切って試してみるか!と思ったのです。
 父に相談すると「何でもやってみなさい。間違えたら直せば良い」と言っ
てくれたので、その勢いでやってみました。
 かなり長い時間を必要としましたが、結果として成功したのです。

 プルダウンというのは、首まわりの前側、つまりアゴの部を下へ引き下げ
る技法のことで、これをすることによって次の効果が得られます。
○「襟まわり」はゆっくりと喰いつく。(変な表現ですが正にこの感じです)
○「肩先」が浮き上がるため、腕の動きが大変楽になる。
○「背の両脇」(つまりダキ)が綺麗になる。

 今は私塾やセミナーなどを通じて、プルダウンを紹介しています。
 実技をすると、襟をグイグイ引っ張るのが印象的なのか…スタンドカラー
の時はやらないと思っている方もいらっしゃいますが、勿論行いますし、襟
のないベストの場合も行うのです。
 襟を伸ばすのではなく、襟のつく身頃、アゴを伸ばすことによって、つき
が良くなり肩にゆとり
ができ、オープンも綺麗に収まるのです。

いつもお世話になっております、Daisuke.Kです。

ついに、服部先生直伝のプルダウンのお話ですね。

プルダウンは経験を要し、また、大胆なくせ取りなので、生地が伸びすぎやしないかとドキドキしながらも、襟ミツ巾など試行錯誤しております。

一昔前の「肩をしゃくり上げる」くせ取りとは正反対の技術ですが、本当にとても効果があり大変勉強になります。

それでは、その弐を楽しみにしております。
2011.07.11 20:32 | URL | Daisuke.K #5BmOpkPM [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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