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#333.望遠鏡の話 その壱

Posted by KINN Tailor on 03.2017 懐かしい話   0 comments   0 trackback
 私が中学生になるかならないか・・・の頃の話(1942年頃で戦中です)を
したいと思います。

 当時私は東京の家と、(疎開先でもある)御殿場の家とを行ったり来たり
していました。
 御殿場に居る時は、畑仕事をしたりして自然に馴染んだ生活をしていまし
たが、その一方で「ラジオ製作」にも熱中していました。
 御殿場の商店街にラジオ屋さんがあったので、そこで部品を買っては作る
のを楽んでいましたが、ある時そこのご主人から「ラジオが作れるんなら、
ウチで修理を手伝ってよ」と言われ、手伝い仕事をするようになりました。
 仕事は主には「ハンダ付け」でしたが、専門的な話を聞かせて貰ったり、
手間賃代わりに部品を貰ったりしましたので、私としては願ってもない経験
でした。

 その頃、中学生向きに「子供の科学」という雑誌が出ていて、私も愛読し
ていました。ある時「模型製作コンクール」というのが開催され、一般から
作品を募集していましたので、一番得意だったラジオを作って応募する事に
しました。
 当時のラジオの主な部品は、真空管、トランス、バリコン等でしたので、
結構大きなサイズ…大体横幅が40㎝位で奥行きと高さは25㎝位でした。
特に真空管は大きな容積を占める代物でした。
 そこで出来るだけ小さいラジオを作ってみたい…と思うようになり、且つ
ただ小さいだけでなく性能も良くしようと思い、当時最新式だった"スーパー
ヘテロダイン"
という組み立て方にする事にしました。
 真空管が普通3本のところを4本使い、コイルなどは自分で巻いたりして、
何とか普通のラジオの半分位の大きさにする事ができました。
 この"スーパーヘテロダイン方式"で組み立てた上に小さくまとめられた
のは、ラジオ屋さんでハンダ付けを散々やったお陰で、細かい所の作業が
上手くできたからです。

 応募してから1ヶ月後位に雑誌社からハガキが来て、思いがけず3等賞
選ばれていた事がわかりました。
 その表彰式があると言うので雑誌社に行ってみると、応募して来た作品が
展示場のような所に飾られていました。
 1等賞は「小型の模型電車」だったのですが、これが本当に素晴らしく、
今でも鮮明にその作品の事を覚えています。
 小型は小型でも驚く程の小ささで、レール幅が8㎜(2本で)しかない
のです。そこに合わせたサイズの模型の電車が走るのですが、一体モーター
等がどうなっているのか?…本当に不思議で、「これが1等賞になるのは誰
もが納得するな」と思いました。
 1等が素晴らし過ぎたので、2等が何だったかはすっかり忘れてしまいま
したが、私は3等賞の賞品として「望遠鏡」を貰いました。
 「さっそく御殿場で夜空の星を観察しよう!」と、張り切って望遠鏡を
持って帰ったのです。

〈つづく〉


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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