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#28.生地の歪み

Posted by KINN Tailor on 06.2011 生地の話   0 comments   0 trackback
 先週の「イン・レイ」に対して頂いたコメント…「生地が歪んでいる場合
はどうするか
」についてご説明します。

 まず始めに、どうして生地が歪んでしまうのか…ですが、生地は一反およ
そ60m位で出荷
されます。生地を板に巻いて出荷するのですが、問題は生地
を二つ折り
(ダブル)にしていることです。二つ折の60mもの長さの生地を
ぐるぐる巻くと、片側が押されてきます。一反の終わりの方では、どうして
も歪んだ状態になってしまう訳です。
 今の生地は、殆ど両側のヘリに文字が同じ配列で入っていますから、その
文字が揃っているかどうかで歪みを見ます。
 文字がない場合は、「地の目」をしっかりと見ますし、カシミヤのように
柔らかい生地の場合は、歪みやすいので充分に注意します。
 そして歪みがあった場合、多少のものでしたらスチームアイロンを使って、
ゆっくり歪みを直して
いきます。時間はかかりますが、もとがきちんとした
生地で、巻いた時に歪んだものであれば、元に戻ります。

生地歪み*
    ※耳の文字を揃えると、生地が歪んで切られていることがわかる

 歪みがかなりある場合は、仕入れた店に依頼し、「地直し(じのし)」
してもらいます。
 これは、生地に蒸気をかけて織りあがった状態に戻す作業ですが、これを
「生地を詰めるためのもの」と思っていらっしゃる方がおられます。
 ウールは蒸気を通す…つまり「地直し」をすると確かに多少詰まるのです
が、その量はごくわずかなものです。また、今売られている生地はほとんど
出荷前に「地詰め(シュランク)」加工されていますので、まず詰まる心配
はありません。

 私共では、お客様がお持ちの生地で仕立てをすることもあります。以前、
お客様がお持ちになられた生地がかなり歪んで…というよりはねじれていた
ことがありました。
 どちらかのオークションでお求めになられたようですが、両耳で7~8㎝も
狂っていました。これは残念ながら生地そのものの問題で、よく云う「B反」
だったのですが、そのように明記せずに売られていることもありますので、
注意が必要です。

 私が一番気になるのは、生地のカットをする際に、歪みも何も全く無視し
て切ってしまうことです。
 歪みを直した際に、生地の端が片方だけ斜めになっていたりします。勿論、
その分を見積もって多めにカットしているのですが、耳を揃えてカットして
くれればそんなことにならない訳ですし、生地が勿体ないと思いませんか?


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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