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#27.イン・レイ(In Lay)

Posted by KINN Tailor on 30.2011 裁断の話   5 comments   0 trackback
 洋服を作る時、お客様の寸法に合わせてパターンを作成し、それを生地に
並べ、チョークを引いてから裁断をします。
 この…"パターンを生地に並べる"作業「イン・レイ」、日本では「差し
込み
」と云います。
 今回はこの「イン・レイ」についてお話ししましょう。

 一般のウールは幅が約150cmで、これを二つ折りにしてダブルと呼んで
います。これに対して半幅のものもあり、(手織りのツィードなどに多い)
これをシングルと呼びます。
 昔はモーニングの縞ズボンの生地などはシングルだったのですが、今では
ダブルになっています。
 シングル幅というのは、人間が手で折る時の手が届く幅から出来たものだ
そうで、昔の人の体格の関係で、今より少し狭かったようです。
 もともと手織りだったツィードなどを機械で織るようになり、ダブル幅に
できるのに、わざわざシングル幅で織っているものもあります。
 面白いですね。

 さて、一着に使用する長さですが、昔は2.8~2.9mでしたが、現在は体格
の関係から3.2mが標準となっているようです。
 イン・レイの時、パターンを置いていく順序は大体決まっているものです
が、パンツの裾幅やベストの長さによって、うまく置っきれない場合などは、
まさに"差し込んでいく"技術が必要になります。
 そこで私がイン・レイをする時に気を付けているポイントをお話します。

 まずは生地にキズや織りむらがないかを充分にチェックします。同時に、
生地に「ねじれ」がないかも見ます。
 問題がなければイン・レイの作業に移っていく訳ですが、大切なことは、
生地の「地の目」を良く見て型紙を置くということです。
「地の目」が狂ってしまうと仕上がった服が歪んでしまいます。
 どこに地の目を通すかについては、かなり専門的になりますので、また
の機会にお話しましょう。
 生地に"向き"がある場合(カシミヤやコーデュロイ)は、向きを揃えます
そうしないと仕上がった時に、色が違って見えてしまいます。

 「柄」がある場合は、上下を注意しなければなりませんし、格子柄の場合
は、柄合わせをする必要がありますので、通常よりも10%位生地を多く使い
ます。
 私共は、後から直しが出来るように仕立てるため、一般よりもかなり縫い
こみを多くとります
ので、生地は普通よりも多めに使用することになります。
 イン・レイで大切なことは、差し込み方によって使用する生地の量が変わっ
てくるのですが、それを最優先にするのではなく、生地を無駄にせず、ゆとり
を持って上手に使う
ことではないでしょうか。

インレイ ?*

インレイ ?*

インレイ ?*

生地の地直しの為に既製服ではスポンジングマシーンを通すことが多いのですが、オーダーの場合は地直しはしないのでしょうか?勿論素材が良く安定していることが前提で仕立てていらっしゃるとは思うのですが。今回の記事にゆがみがないか確認するとのコメントが有ったので、歪んでいる場合はどのように対処されるのか興味がわきました。
2011.05.31 14:30 | URL | keiko satoh #- [edit]
keiko satoh様

 コメントありがとうございます。
「生地のゆがみ」につきましては少々説明が長くなりますので
近くブログで答えさせていただきます。
2011.06.01 11:55 | URL | 服部 晋 #- [edit]
いつもお世話になっております。
岡山のテーラーロンドンです。
毎回たいへん貴重な記事を感激しつつ拝読させて頂いております。
差し込み図について伺わせてください。
上二つの図では見返しを逆目で、下図では順目で取っておられます。
下袖を逆目に断つ例はときに見ますが、見返しの逆目は初見です。
これは何か理由があるのでしょうか。
2011.06.16 09:18 | URL | 米林 真 #4NWTxV4A [edit]
テーラーロンドン様
 いつもお読み頂いてありがとうございます。
差し込みの向きについてですが、山袖と下袖は向きが同じでないと
縫目のところで色が変わって見える心配があります。
見返しはラペルの端に縦地が通るため、前身とは生地の角度が変わり
逆目でも目立たちません。
この理由から、どちらかを逆目にしなければならない場合、私は
見返しを逆にしています。
2011.06.16 11:17 | URL | 服部 晋 #- [edit]
見返し逆目について丁寧なご説明をありがとうございます。
まことに精力的な更新に感服しています。
2011.06.17 09:31 | URL | 米林 真 #4NWTxV4A [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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