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#304.スポーツジャケットの仕立て その四

Posted by KINN Tailor on 21.2016 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 裁断をする時にはどこにどの位縫い込みを付けるか・・・という事が大切
になります。後から直しが出やすい箇所を予想して裁断をします。
 ただ、よく縫い込みは沢山付けておく方が良い仕事だ…というような考え
方がありますが、それは肥りやすい方の胴周りなど変化しやすい箇所の話で、
どこにでも沢山付けるという事ではありません。

 仮縫いが終わったら、余分な縫い込みはカットした方が綺麗に仕上がりま
す。紳士服の場合は予め縫い代を含めて製図しますが、今回はわかりやすく
するために、仕上がり線から何センチ縫い込みを付けるか・・・という説明
をします。

◇ジャケット前身頃
 ①前中心は打ち合わせが足りなくなる事がありますので、3cm付けて裁断
  し、仮縫いが終わったら7mmにします。
 ②襟付けの所は約2cm(襟腰寸法と同じ位)付け、仮縫い後も変えません。
  それは後になってから首が離れる…や、襟が抜けるといった時に直す為
  に付けておきます。
 ③肩は、一般的には前に2cm位付けて後には付けませんが、私は前2cm、
  後1.5cm付けます。仮縫い後も付けたままです。
  後から後の肩だけイカリ肩にする・・・少々難しい話ですが、肩の角度
  を前に持っていきたい時に必要になるからです。
 ④脇(サイバラとの縫目)には1.5cm位付けます。これは仮縫い後も変わ
  りません。
 ⑤裾は仮縫いの時には7cm位付けておきます。実際に必要なのは4.5~5cm
  ですから、仮縫いが終わったらカットしますが、後身頃の裾は、前身頃
  より必ず1~1.5cm程長くしておきます(後程説明)。

◇サイバラ
 ⑥前身頃との縫目は7mm。
 ⑦脇(後身頃との縫い目)には4~5cm付けます。紳士服は縫目の片側に
  多く縫い込みを付けますが、脇の場合は前身頃に多く付けます。仮縫い
  後も念のために付けておく事が多いです。
 ⑧ダキに縫い込みを2.5cm付けます。これは非常に大切な縫い込みです。
  例えば、後から後身頃を上げる場合やアームホールを小さくしたい時に
  必要です。

◇後身頃
 ⑨脇は7mm~1cm付けます。ただセンターベンツご希望のお客様が仮縫い
  時にサイドベンツに変更される場合もありますので、そうなりそうな時
  は、5cm付けておいて後からカットします。
 ⑩背中心は仮縫い前は上の方が4cmウエストから下は5~6cm付けて裁ち、
  仮縫い後は上~ウエストを3cm、下を4cmにします。
 ⑪襟付けは3cm付け、仮縫い後もカットしません。後から襟周りを直した
  くなるケースは意外と多いものです。
 ⑫裾は前身頃よりも1~1.5cm長くします。後から後身頃を上げる場合、
  例えば年を取って猫背になった場合が考えられますが、その際に必要
  になります。

身頃縫込み**


 次回は、縫い込みの続きをお話しします。

〈つづく〉


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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