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#303.スポーツジャケットの仕立て その参

Posted by KINN Tailor on 14.2016 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 前回、右肩下がりのジャケットの製図についてお話ししました。今回は、
"肩下がり""肩上がり"について詳しく説明したいと思います。

 私達洋服屋が気に掛ける事の一つに、片方の肩が下がっていないか?…と
いう事があります。
 日本では右利きの人が多いのですが、これは日本語が右手の方が書き易い
事や、右利きでないのは行儀が悪い・・・というような風潮があり、子供の
頃に矯正する人が多い事もあると思います。

 利き腕・・・特に右利きの人は右の肩の位置が下がります。それは肩だけ
が下がっているのではなく、脇の下も下がっています。つまり片方の肩が低
いのを "肩下がり"というのではなく、肩と脇の下が低いのを "肩下がり"と呼
んでいるのです。
 前回も図に描きましたが、右肩下がりは右の脇の下も短くなります。これ
は背骨がほんの少し曲がっている状態で、背骨が右に曲がる事で重心も右に
移動するため、身体のバランスを取るために右の腰が少し上がるような体形
になる・・・という事なのです。
 右の腰が上がる…という事は、パンツにも影響が出ます。パンツの右足側
が外を向き易く
なり、綺麗に落ちなくなるのです。

 さて、左利きの人が右利きほど影響が出ない理由は良くわからないのです
が、左に心臓があるためか、もしくは左利きの人は左利き用の道具(鋏とか)
が少ないために筆や箸は左手を使うけれど、それ以外は右手を使わざるを得
ず、左手だけを使う訳ではないからかも知れません。
 よく「左利きの人は器用だ」と言われますが、両方の手を使うからそう言
われるのかも知れません。

 次に"肩上がり"についてですが…これはあまり馴染みのない表現だと思い
ます。"肩上がり"というのは、両側の脇の位置は一緒で、肩だけが上がって
いる
状態の事を言います。このような体形の人は、高い方の肩周りが大きい
ので、身頃だけではなく袖の太さも変える必要が出て来ます。

スポジャケ参イラ1

 また"肩上がり"の時は、左右の肩幅(背の中心から)と腕の付け根の太さ
(肩先を通る)や腕の太さを計って、製図するようにします。

スポジャケ参イラ2

 次回は、スポーツジャケットの裁断についてお話ししようと思います。

〈つづく〉


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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