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#296.フロックコートの仮縫い その参

Posted by KINN Tailor on 19.2016 礼服の話   0 comments   0 trackback
 前回、フロックコート(ジャケット)の仮縫いを紹介しましたが、その後
フィッティングを行ったところ、ベストに修正する所が出ましたので、もう
一度仮縫いをする事になりました。
 そこで折角ですので、ベストの仮縫いについても説明したいと思います。

 フロックコートとベストのバランスは、通常は下図Aのようになりますが、
今回はお打ち合わせの際に、フロックコートの前を開けたまま着る事を前提
とされていましたので、下図Bのようになるよう裁断をしました。

イラスト1**

 ところが実際にお召しになると、コートの前を常に開けて着る訳ではなく、
閉めて着る事もある…という事になり、そうなると襟があまり見えないので、
もう少し襟を上げる事になりました。肩でベストを上げる・・・つまり全体
的に上にズラす方法もありましたが、ベストの長さは変えないで…とのご要
望でしたので、襟の位置だけ移動させる事にしました。

 通常、襟付きベストの仮縫いは襟を付けずに行いますが、今回は襟がポイ
ントですので、襟を仮付けした状態のベストを準備します。

まず・・・
①襟の位置(オープン)を修正します。
オープン1,2,3
※襟を2cm上げる…という事でしたが、実際にチョークを引いてみると意外
 と襟が上がった印象にならなかった(襟は斜めにカーブしているため)
 ので、2.5cm上げる事にしました。併せて、打ち合いも調整します。


②襟の形を整えます。
襟調整⇨調整済
※襟の形は、目分量で整えます。

修正したチョークに切り躾を打ちます。
切躾⇨切躾後

④襟の型紙を作成します。
ルレット⇨書上⇨型完成
※ルレットを使い襟の型を映し、その跡を鉛筆でなぞります。型紙ができました。

⑤襟を裁断して、組み立てます。
襟裁断1⇨2⇨作成⇨完成

身頃に芯を据える前に、芯に細工をします。
 ベストは身体に密着する物ですから、ジャケット以上に肩まわりにクセを
 取る必要があります。クセを取り易くするには肩に切れ込みを入れます。
イラスト2**
※一般的にはこの切れ込みに小さな三角形の芯地を縫い合わせますが、私は
 切れ込みを入れるだけです。それは、その方が芯が自由に動くので、クセ
 が取り易くなるだけでなく、ベストを着た時の動きも良くなるからです。

芯カット⇨肩カット
※入れる場所はネックポイントから4cm位肩先の寄った所。長さ7~8cm鋏を
 入れます。


 この続きは、次回・・・・

 〈つづく〉


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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