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#294.フロックコートの仮縫い その壱

Posted by KINN Tailor on 05.2016 礼服の話   0 comments   0 trackback
 先日、久し振りに「フロックコート」のご注文を頂きました。

 フロックコートは一番最初に昼夜両用の礼服とされた物でしたが、その後
昼用にモーニングコート夜用には燕尾服ができた為、徐々に着る人が少な
くなってしまいました。
 私が若い頃は "モーニングコートは略式" という認識がまだ根強かった為、
フロックコートを仕立てる方が多くいらっしゃいましたが、近年では昼用は
モーニングコートが主流となった為、ご注文も滅多に入らなくなりました。

 折角の機会ですので今回は、フロックコートの仮縫いの手順を紹介したい
と思います。まず最初にフロックコートの特徴を説明します。

イラスト1フロック特徴**

 フロックコートは他の剣物と同様、普通のジャケットとは組み立てる順番
が違います。
 普通のジャケットは、左右の前身頃を作り、それを背縫いをした後身頃に
付けますが、剣物は前身頃に後身頃の半身を付けて、最後に背中を縫い合わ
せます。
 そして他の剣物との違いはタツ(REVER)を付けるという事です(昔は
燕尾服もタツを付けましたが現在は使いません)。他のジャケットは前身頃
の端に身返しを付けて返しますので2枚の布が重なっていますが、フロック
コートはタツもスカートもその物を折り返す為、端がワナになっています。

注)モーニングコートや燕尾のように背中の部分が狭く、裾まで続いている
物を"剣物"と呼びます。襟が剣襟だから剣物だと思う方もいらっしゃるかも
知れませんが、礼服の襟は必ずしも剣襟でなくても構いません。


 パーツに分けると、下図のようになります。

イラスト2 パーツ**

 では、組み立て方をご説明しましょう。

前身頃Aにタツを付けます
F写真1→2
※タツは後で半分に折りますが、折った箇所をカーブさせなくてはなりませ
 んので、予めアイロンで折り目をカーブさせておきます。


次に芯を据えます
イラスト3 芯据え**
※今は仮縫いですから、芯は大き目に作ってあります。

芯を据えたらタツを返し、襟の折り目線に躾糸を入れます。
F写真3→4
④サイバラを付け、前身の上部ができ上がりました。

 この続きは次回・・・・


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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