Loading…

#288.秘密のポケット

Posted by KINN Tailor on 25.2016 特別な話   0 comments   0 trackback
 お陰様で私は、成人した後は特に大きな病気もせずに今迄過ごせています
が、唯一60歳を過ぎた頃から少し耳が遠い感じになり、補聴器を使うように
なりました。
 色々なメーカーの物を試しましたが、どうにも聞き辛い音があり悩んでい
ました。そんな時に、あるボランティアの会に出席したところ、難聴の人達
を支援している方と出会いました。私の耳の話をすると「とても良い先生が
いますよ」…という事で W先生を紹介して頂き、それからはずっと W先生の
お世話になっています。
 W先生はもともと音響の研究をなさっていた方で、補聴器の調整をする時
母音や子音の強さ等を細かくチェックして下さいます。例えば補聴器を付
けても聞きとり難いのは高音で、特に女性の高めで細い声などは非常に聞こ
え難いのですが、先生に調整して貰ってからは問題なく聞こえるようになり、
助かっています。

 さて、このW先生は本業以外にも趣味をお持ちで、一つはやはり音響関係
で、古くからのレコードプレイヤーを何台も持っていらっしゃいます。先生
のお話ですと、昔からある円盤のレコードが一番音が良いそうで、そのレコ
ードを、これも昔風の鉄の針を付けたプレーヤーに掛け、ラッパ型のホーン
スピーカー
で音を出すのが良いのだそうです。
 針はダイヤモンドが一番だと思い込んでいましたので、鉄の針?…と聞い
た時はそれこそ耳を疑いました。しかも先生は鉄の針の先を尖らせる細工
ご自身でなさる…という事で驚きです。お住まいには蓄音器ミュージアム
るものもお持ちだそうで、まだ一度も伺ったことがありませんので、いつか
お邪魔して素晴らしい音色を聞かせて頂きたいと思っています。

 さて先生のもう一つの趣味…と言いますか、お得意が「手品」です。補聴
器に手品は関係なさそうですが、手品を始められたきっかけは、治療に来る
お子さんたちにうまく検査を受けて貰うために始められたそうです。
 一度先生にカードの手品を見せて頂きましたが、目の前でやっているのに
トリックが全くわからず、本当に不思議でした。そこで私も、カード手品の
初歩的なものを一つ教えて頂きましたが、自分でやってみると、洋服作りの
ように上手くいきませんでした。先生は余っ程手先が器用な方なのだと痛感
したものです。
 そんな時に、先生から洋服の御注文を頂戴しました。1着目はごく普通の
ジャケットでしたが、2着目は・・・何と手品用の仕掛けをしたジャケット
の御注文でした。
 手品で「きっとジャケットのどこかに隠していたな」と思う物と言ったら、
コインとか花とかで…生き物だと鳩を想像します。
ところが先生が使うのは仔犬!…というので驚きました。鳩は足は2本です
し、何となく楕円形にまとまるような感じがしますが、仔犬となると足は4
本で尻尾もありますし、そもそも仔犬がおとなしくしていてくれるのか…?
と悩みましたが、私は仕掛けのポケットを作れば良いのであって仔犬の心配
迄する必要がない事に気づき、早速作業に入りました。
 どこに秘密のポケットを作ったかはお話できませんが、意外な所でした。
こんな所からサッと仔犬を出す事ができるなんて、トリックの中身を知って
いても驚きです。
秘密のポケットイラスト**


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://kinntailor.blog98.fc2.com/tb.php/394-609ff5f1

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR