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#280.縦縞の裁断 その弐 ~ラペル~

Posted by KINN Tailor on 23.2016 裁断の話   0 comments   0 trackback
 普通、スーツにはラペルがあります。ラペルは掛け釦から襟の所まで身頃
が返って見返しが表側に
出ています。元々ジャケットの形は、前の端が首の
付け根まで真っ直ぐに伸びていた・・・つまりスタンドカラーだった訳です
が、カラーの上の釦を外して前を開けて着るようになった事からラペルが始
まったのです。

 縦縞の場合、通常ラペルの端に縞を通すようにしますが、スタンドカラー
だった事を思えば、その端に縞が通っているのはむしろ当然と言えるかも知
れません。
 ところがラペルが定着して以降、ラペルの形が微妙に変化し始めました。
最初は、ただ真っ直ぐのラペルをペタンと折って返したような形でしたが、
端をカーブさせるようになり、更に幅を広くしたり、ラペルをフワッと返っ
たように見えるようにロールさせるようにする…など、ラペルがデザイン上
重要な役割
を果たすようになりました。
 そうなると端に縞を通す事が難しくなります。デザインによっては…例え
ばラペルの幅が広く端のカーブも大きかったりすると、見返しはかなり大き
なパーツになってくる訳ですから、見返しの取り方も工夫をしなければなら
なくなります。
 最近はあまり幅が広いラペルは見かけなくなりましたが、ダブルのジャケ
ットが流行った頃は必然的に襟が広くなり、カーブもきつくなっていました。
ベストにラペルを付ける時などは、ラペルの端に縞を通さずに返り線の所に
通す
事もありますし、ベストの場合はジャケットを着ている時、返り線の方
が目立ちますから、そこに縞を通した方が綺麗に見えます。
 ジャケットの場合でも縞を端に通さずに返り線に通す時があります。その
場合は端の縞は切れてしまいますが、その方が綺麗に見える事もありますし、
お客様のお好みで・・・という場合もあります。
 ラペルのデザインと縞の太さや間隔などによって仕上がった時のイメージ
は微妙に変わってくるものですが、私は基本的にはラペルの端に縞を通す
うにしています。その方法を説明しましょう。

ラペル_裁断_アイロン**

くせ取り**

 くせ取りについてですが・・・端をカーブさせるのにアイロンを縦方向に
使うか、内側から端の方に向かってアイロンを動かした方が上手くカーブし
そうな気がするかも知れません。ところが縦に使うと前端が伸びてしまいま
すし、内側から使うと端が歪んでしまいます。従って端の方から内側に向か
ってアイロンを使い、形を整えます。

 見返しは細長い布ですから、アイロンを使う方向を間違えたり力を入れ過
ぎると伸び過ぎてしまい戻らなくなりますので、微妙な手加減が必要になっ
てきますが、端のカーブに合った綺麗な縞模様に仕上がると、とても気持ち
の良いものです。

 次回は、パンツについてお話したいと思います。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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