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#279.縦縞の裁断 その壱 ~ジャケット~

Posted by KINN Tailor on 16.2016 裁断の話   0 comments   0 trackback
 裁断の柄合わせの話題になると、"格子柄"についての話になりがちですが、
今回は"縦縞"の裁断について話してみたいと思います。

 まず前身頃のどこに縞を通すかが問題になりますが、日本で普段使われて
いる裁断法ですと、パターンの前中心線に縦地を合わせますので、縞の生地
の場合は前の端に縞が通る事になります。
 私の場合は少し違っていて、前の端ではなく前身の中心線…つまりネック
ポイントからの線
に縞を合わせます。
イラスト1 縞を通すところ**
 上の図ですと、縞の通る位置は結果的には同じになるように思えるかも知
れません。ところが体形によっては違いが出て来ます。
 私の製図法ではネックポイントを胸幅の中心だけでなく、腹の幅の中心
使って出しています。これは体形に応じたネックポイントの位置を正確に出
すために行っているのですが、例えば肥満体の場合、ネックポイントの線が
胸幅、腹幅の中心に対して直角ではない事があります。その場合にネックポ
イントの線に縞を通す
と、縞の出方が普通とは変わって来ます。
イラスト2-1 ネックポイント**
イラスト2-2 肥満体**
 つまり体形によっては前の打ち合わせの所が縦縞からずれる事もあります
し、釦を掛ける所の縞が端に対して平行でない事もあるのです。「えっ?」…
と思われる方もいらっしゃるかも知れません。ところが仕上がって実際に着
てみると、不思議な事にこの方が縞が真っ直ぐに見えるのです。

 次に後身頃ですが、これは特別な事は何もなく、左右綺麗に縞が揃うよう
にして背中心の縫い目の所に縞を合わせます。

 さて問題は袖です。袖は体形によって下がり具合が変わりますので、どこ
に縞を通すか…が結構難しいのです。私の場合は、採寸の時に手首の位置が
腕の付け根からどの位前に出ているか
を見ておきます。そして山袖の前の縫
い目の上の端
に縞を合わせ、袖口は少し前気味(1~2cm)になるようにします。
袖口を前に持ち出す事になると、用尺が多くなるのでなかなか難しいものです。
イラスト3 袖**

 次回は"見返し"についてお話したいと思います。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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