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#264.礼服の付属品の話

Posted by KINN Tailor on 18.2016 付属品の話   2 comments   0 trackback
 昨年も、礼服のご注文を幾つか頂戴しました。
 私共の店では礼服のご注文を頂く際に、付属品も併せてご依頼頂きます。
ですから、拝絹に使った生地で蝶ネクタイを作る・・・とか、ベストの生地
で蝶ネクタイも作る・・・といった事ができる訳です。
 現在もディナージャケットの拝絹生地を使って蝶ネクタイとカマーバンド
を作成中ですが、私共の店で作るカマーバンドは通常売られている物と
少々形が違いますのでご紹介しましょう。

 カマーバンドはお腹に巻く訳ですから、本来お腹にしっくり馴染まなけれ
ば上手くありません。真直ぐに裁ったカマーバンドですと、お腹がくびれて
も出っ張ってもいない人には良いのかも知れませんが、それ以外の体系の方
の場合は浮いてしまったり、変なシワが出たりしてしまいます。

カマーバンド1**
私共のカマーバンド
※全体を少し湾曲させ、お腹にしっくり馴染むようにしている。


 このカマーバンドは4本ヒダですが、ご注文主のお腹に合わせてヒダを1本
ずつ形を変えて裁断をして
繋ぎ合わせています。これですと、カマーバンド
の上が浮いてしまったり、お腹に馴染まずに全体が上にせり上がり過ぎてし
まうのを防ぐ事ができます。
 写真のバンドにはもうひと工夫されていて、一番上のヒダの所にポケット
が付けてあり、小さい物などを入れておく事ができます。
 日本ではカマーバンドを割と高めに付けている事が多いようですが、本来
ジャケットの釦を止めた所から2~3cm位(シャツの釦の間隔と同じ位空
けた所)に一番上の端が来るようにするのがベストで、釦を止めている時は
チラッと見える程度が上品だとされています。お召しになる際は参考にして
下さい。

 さて最後に、これは付属かどうかちょっとわかりませんが、何十年か振り
ベストの白襟のご注文を頂きました。
 ベストに白い襟を付けるのは日本独特の習慣で、和服の白襟から来ている
ようです。
 一頃はモーニングのベストには必ず白襟を付けたものですが、最近はこの
ような注文はあまり頂かなくなりました。
 先日あるお客様が英国のチャールズ皇太子の写真をお持ちになり、「この
ベストの襟と同じように白襟を・・・」とご注文されたので、ちょっと驚き
ました。確かに写真のチャールズ皇太子はモーニングのベストに白襟を付け
ていらっしゃるのです。
 いつ頃、なぜベストの白襟が外国で使われるようになったのかわかりませ
んが、意外なところで日本の習慣が影響を与える事もあるものですね。

ベスト白襟2**
ベスト白襟

白襟はベストを重ね着してた時の名残りのようです。主にフロックコート着用時に用いられたようで、モーニングでもクラシックな着方をしたい際に白襟をつけるとのこと。ツーピース全盛期に敢えてベスト付きのスリーピースを着るようなものでしょうか。ただフロックコートの名残りのためフロックコートもしくはフロックコートの後継たるモーニングでしか付けないようです。
2017.08.09 07:59 | URL | 中村 #- [edit]
中村様

 コメントありがとうございます。

 私は、「ベストの重ね着をしていた・・」ということを存じませんでした。
白襟は、ベストに限らず、襟の装飾として用いる物、という認識でおります。
2017.08.10 17:12 | URL | 服部 晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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