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#258.師走

Posted by KINN Tailor on 07.2015 特別な話   0 comments   0 trackback
 今年もいよいよ12月…師走に入りました。
 師走になると、どこでもかしこでも、TVでも「今年も後僅か…」「今年
も残すところ後○○日…」などと言うので、何となく気忙しく感じます。
 私共の場合は、比較的一年が平らな流れなのであまり季節感がないのです
が、この「師走」という言葉を聞くと流石に、「あぁ、今年も終わりか」と
思うのです。

 今年は、ちょっと残念な事がありました。
 秋口に、お客様から「絹地」を使った服の問い合わせがありました。この
ブログでも紹介した「藍染の絹地(♯39)」をご所望されていましたので、
早速お店へ連絡をしたところ、「絹地は今まで通り作れますが、染める職人
さん
が亡くなられたので、藍染は在庫限りになります」との事でした。
 以前こちらのお店の方からお話を伺った際に、この藍染が昔ながらの技法
で手間と時間を掛けて作られていると知って、素晴らしい事だと思っていた
ので、何とも残念な気持ちで一杯になりました。

 そして、こんな事もありました。
 私は鋏を数種類使い分けていますが、日本製の鋏で古くから愛用している
のが「長太郎」です。鋏は定期的に磨ぎに出しますが、以前から磨ぎに出し
ている金物屋さんから「この鋏はいずれ無くなる」というような話を聞いて
いました。私の中ではまだ当分は大丈夫だろう…と思っていたのですが、夏
頃に私塾の生徒さんからも「長太郎がなくなる」という話を聞きましたので、
「いよいよか?」と思い、すぐに金物屋さんに行き状況を聞いてみました。
すると、「先代の後を継いでいた息子さんが亡くなり、後継者がいないので
長太郎は作られなくなるでしょう
。ただ職人さんは残っているので、磨ぎは
できますよ」との事でした。今の内に…と思い、早速1本買い求めました。
 時代と共に「昔からの技術」が変わっていったり、無くなってしまったり
・・・これはいつの時代でも仕方のない事なのは重々承知しているのですが、
残念でなりません。

 もう一つ、これは私だけの問題かも知れないのですが・・・
 ここ数年で感じている事なのですが、"まつり"などをしていると手縫い糸
が非常に絡み易くなった
気がします。自分の手が鈍ったのか?…と一寸心配
していたのですが、うちにかなり古い時代の手縫い糸が残っていて、それと
比べてみると…何となく今の糸の方が細いのです。これは今の生地が昔より
も薄くなっているからなのか?…いつから変わったのかも全くわかりません。
手縫い糸は今も昔もずっと「9号」ですから、元の太さが変わってしまった
としたら、こちらは知りようがないのです。ただ長年糸を触っていて、ここ
最近そう感じるのです。
 何人かに話をしても共感されないので、本当に私だけの問題かも知ません。
どなたかご存知の方がいらしたら是非お知らせ下さい。

藍染と鋏**
藍染と鋏:どちらも、なくなってしまうのが惜しい逸品


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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