Loading…

#255.勲章の話 その参

Posted by KINN Tailor on 16.2015 勲章の話   0 comments   0 trackback
 今回は、小綬章双光章単光章についてお話したいと思います。

 この三種は逆三角形に折りたたんだ短い綬(小綬)に勲章が下がった形
しています。勲章は小受章と双光章が同じ大きさで、単光章が一回り小さく、
それぞれ宝石などの素材が異なっています。
 綬の大きさは三種共同じですが、小受章には綬と同じ素材で作られた丸い
花形の飾り
が付いています。
 いずれも左胸に着用しますので(ご婦人も同様)、胸ポケットのすぐ下に
ループを付けておき、それに綬の裏側に付いている金具を引掛けます。

ループ**

 では勲章を二種以上持っている方がそれを着用する場合はどうするか・・・
と言いますと、後から授与された勲章を前に授与された物よりも上位に着用
する事になっています。"上位"とは、身体の中心に近い方を意味します。
 例えば最初に瑞宝章、次に旭日章を授与された場合は旭日章を上位に付け
ます。この場合、同じ形の勲章であれば並べて付けられますので、どちらか
を上位とする事ができますが、一方が左胸に付けるタイプで、もう一つが首
から下げるタイプの場合、形状からして首から下げる方が身体の中心に近く
なってしまうのでは?…と思われがちです。
 それもその筈で、このタイプは中綬章、重光章、大綬章と元々上位の勲章
ですので、複数回なら後から授与されるケースが殆どな訳です。つまり自然
と首から下げる方が上位になるようになっているのです。

 では大綬章を二つ授与された場合はどうなるのか…と言いますと、大綬を
二つ掛ける訳にはいきませんので、後から授与された方を掛け副章を左胸に
二つ並べて
付けます。副章を二つ付ける場合はループが図のようになります。

勲章二つ**

 副章を二つ付けますとかなりの重量になりますから、洋服を作る立場から
申し上げますと少々難しい細工が必要になります。例えば燕尾服は前に釦が
ないため、片側だけ重さがかかると、そちら側だけが下がってしまうのです。
 それを防ぐための細工としては・・・燕尾服の右側のアームホールを小さ
く作る
のです! そうすると勲章の重さで左側が下がる事を是正できます。

 この"二つ勲章を付ける"という事は、国際的な行事ではよく行われる事で、
例えばどちらかの国から国王陛下がお見えになったとすれば、その国の勲章
と日本の勲章の両方を付ける事になります。
 今はあまり行われなくなりましたが、昔は宮中で晩餐があると、その翌日
リターンバンケットとしてお客様の国主催の晩餐がありました。
 そのような時天皇陛下は、最初の日は外国の勲章を上位に、日本の勲章と
共に付けて出席され、翌日は日本の勲章を上位に(リターンバンケットでは
客人となるため)付け直して出席されていました。

 今は色々な意味から簡略化される事が多いようですが、やはり勲章がある
行事は華やか格式の高い印象を受けます。
 ですから勲章をお受けになった方は、お祝いの席などでは是非勲章を付け
られる事をお勧め致します。


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://kinntailor.blog98.fc2.com/tb.php/357-aaf03d04

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR