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#241.駅弁の思い出 その弐

Posted by KINN Tailor on 03.2015 懐かしい話   0 comments   0 trackback
 駅の売り子さんが売っていた物の中で、特に印象に残っているのがアイス
クリーム
です。これはお弁当とは別の売り子さんが、お弁当よりも小さ目の
木の箱にアイスクリームだけを入れて売り歩いていました。

 このアイスクリームにはちょっとした縁がありました。実は御殿場の知り
合いの子の家が食堂で、弁当屋さんからの依頼で駅弁を作る事になっていた
のですが、丁度私がその食堂に居る時に駅弁屋さんが来て「ついでにアイス
クリームも一緒に作って下さいな」と、頼んでいたのです。
 食堂にはよく遊びに行っていましたので、アイスクリームの試作をしてい
るのを見る事もできました。あまり広い店ではなく道具も種類が少なかった
のでお店の人は「色々頼まれて結構大変なんだ」と愚痴っていました。
 次の日だったか…お店に寄ってみると丁度アイスクリームができ上がった
ところで、お弁当屋さんも店に居てアイスクリームを箱に詰めていました。
当時のアイスクリームは今よりも少し柔らか目で、薄い経木の箱に"しゃもじ"
のような物を使って詰めていました。匙はやはり経木でできたヘラで、蓋を
してゴムバンドで止めてヘラを挟めばでき上がり!・・・という案配です。
駅弁アイス**
 そんなアイスクリームを、試作からでき上がるところまでを見ていたせい
か…とても身近に感じられて、その後アイスクリームを売りに来ると必ずと
言って良い程買って食べたものです。
 今のようにスナック菓子などがたくさんある時代ではありませんでしたか
ら、アイスクリームは大層人気で、皆がこぞって買っていたように記憶して
います。

 お菓子といえば・・・御殿場線は国府津の先がトンネルだらけでしたから、
窓を閉めたり開けたりが大変で(蒸気機関車はトンネルに入ると煤が窓から
入って来るので)、時々沼津まで行ってから御殿場へ戻る…という行き方を
しました。ある時沼津駅で「羽二重餅(はぶたえもち)」というお菓子を売
っていたのですが、それまで食べた事もない全く知らない物でしたから興味
津々、早速買って食べてみました。・・・それは柔らかくてとても美味しい
お菓子でした。
 後から知ったのですが…もともと羽二重餅は福井県の銘菓だそうで、なぜ
沼津駅で売っていたのかが不思議ですが、沼津には千本松原で有名な海岸が
あるので、”羽衣伝説”とかけて売っていたのかも知れません。

 アイスクリームも羽二重餅も、戦中に売られていました。戦中は食糧不足
なのでは?…と思われるかもしれませんが、ある程度制限こそありましたが、
意外と食べる物はあったのです。その後戦争末期になると食べる物が減って
きて、戦後は本当に物がなくなり苦労しました。

 戦後に「料理弁当」なる物が売られていたのですが・・・このお話は次回
にしたいと思います。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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