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#234.ちょっと残念な話 ~アイロン~

Posted by KINN Tailor on 15.2015 道具の話   0 comments   0 trackback
 20年来使っていたアイロンの具合が悪くなってしまいました。スチーム
を使うと水が漏れてしまうようになったのです。修理を依頼してみましたが、
私のアイロンは既に製造中止になってしまっていたため、部品がない…との
事でした。
 長い間使っていて馴染んでいましたので、どうにかならないものか…と思
い分解をしてみると、スチームの所のパッキンが傷んでいる事が判りました。
スチームは使えませんがアイロンとしては充分使える状態のようでしたので、
パッキン用のゴム板を探しに金物屋さんへ行ってみました。
 すると丁度同じ厚さのゴム板があったので早速買って帰り、古い物から型
を取って作ってみたところ、何と上手く合って水漏れがしなくなりました。
 しめた!…と思い使っていたのですが、翌日他の箇所から水が漏れて来て
しまいました。今度は漏れてきた水がアイロンの熱で蒸発して、その蒸気が
丁度取手の所にかかるため、熱くてアイロンが持てない状態になってしまい
ました。
 やはり専用のパッキンを使わないと直らないようですし、それも1箇所で
はないようなので自分で修理するのを諦めて、新しいアイロンを購入する事
にしました。

 前のアイロンの重量は2.3kgでしたが、今は一番重たいのでも2kg、アイ
ロンの底面も多少小さくなっていました。20年も経つと色々研究されるよう
で、コントローラーがアイロン本体から離れているので温度調節が楽ですし、
デザインもスッキリしています。
 重さは0.3kgしか違わないのですが、随分軽く感じるのは構造の違いなの
か、デザインの違いなのか?…いずれにしても今の私には丁度良いかも知れ
ません。

「#72.アイロンの話」で書いたように、私が仕事を始めた頃のアイロンには
スチームなど付いていませんでしたし、温度調整もできず、電気の差し込み
口を付けたり外したりして調整していました。そう言えば、私が子供の頃に
仕事場を覗いきに行った時に、水を一杯入れた"金だらい"の中にアイロンを
入れ、ジュ~っと大きな音をさせてアイロンを冷ましている職人さんがいた
のを覚えています。多分電気を入れっぱなしにして熱くなり過ぎてしまった
のでしょう。その頃は手でアイロンの温度を見たり霧吹きを使ったりと、
今のアイロンと比べると使い勝手が随分違いました。
 安全性という意味では今の方が格段に上ですし、使いやすくなっているの
ですが、前のアイロンが完全に壊れていない(熱くならなくなったら終わり
だと思いますが)ので、何となく残念な気がしてしまいます。

 どの業界でもそうだと思うのですが、道具はどんどん軽くなり簡単に使え
傾向にあって、それはそれで素晴らしい事なのですが、やはり私のように
道具に対して思い入れがある…と言いますか、手に馴染んだ道具は手の一部
みたいになっている
者にとっては、古い機械でも修理して下さる所が残って
いてくれたらなぁ・・・とつくづく思うのです。

アイロン新旧** アイロン新**
写真左)手前:旧アイロン 奥:新アイロン(揃い踏み!)
写真右)新アイロン


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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