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#223.仕事の勉強の思い出 その九 〜見返し〜

Posted by KINN Tailor on 23.2015 修業時代の話   0 comments   0 trackback
 テープが終わると、次は"見返し"の作業になります。

 見返しの裁ち合わせをする時には型紙を使わずに、身頃を使って裁つよう
に教えられました。見返しやポケット、パンツで言うと前タテ・テングなど
のパーツの型紙を作って、それを使って裁つ方もいますが、私の店の場合は
パーツの型紙は一切なく、"現場合わせ"というやり方でパーツを裁ちます。
 見返しを裁つ時のポイントは2つあります。まず見返しは釦から上のラペル
の部分は表側に出て、釦から下は身頃の内側に隠れるので、見返しが釦の所
で捻れるようになります。ですからその分生地を膨らませなければならない
のですが、その角度はかなり急にしなければならないので最初はとても描き
辛かった覚えがあります。
 もう一つは身頃よりもゆとりを付けて裁つという事です。芯や裏地もそう
ですが、内側に来る物はゆとりを付けなければ綺麗にできない…という事を、
その都度繰り返し教えられたのでとても印象に残っています。
見返し イラスト1**
 見返しを裁った後は身頃に付けるのですが、これがとても難しく、かなり
苦労しました。
 教えてくれていた職人さんは「カーブにして長くなった分を元の(身頃の)
寸法に縮めて押し込むのですよ」と言って実演してくれましたが、私がやって
みると変に捻じれた形になってしまうのです。
 繰り返し練習している内に、「綺麗に縮めるにはアイロンが決め手!」と
いう事に気付きました。そしてアイロンも、ある程度熱量がないと効きが悪
いので、小さい箇所の作業でも大きめのアイロンの方が上手くいく…という
事がわかったのです。
 布地を思うように曲げたり縮めたりするには、相応の熱量を一気に当てる
必要がある訳です。このカーブした部分を縮めて付ける作業が最初の内なか
なか上手くいかず、繰り返し練習したお陰で、アイロンの効果を痛感できた
事が、後々の作業に随分活かす事ができ、良かったのだと思います。

 さて見返しにはもう一つ大事な仕事として、裏ポケット作りがあります。
お台場(#009)やモミ玉(#210)については以前書きましたので、今回は
沢山裏ポケットを付けるよう注文された方の例を、イラストにてご紹介して
終わりしたいと思います。
見返しイラスト2**
合計7つ!の裏ポケット


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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