Loading…

#205.父の生地見本 その四

Posted by KINN Tailor on 17.2014 生地の話   0 comments   0 trackback
 生地の柄には基本的な物が何種類かありますが、昔から変わらずに続いて
いる柄を、父の生地見本の中からいくつか紹介したいと思います。
 生地は織物ですから、糸の色と織り方で柄を表現します。ですから自由に
図柄を表すことは難しく、どうしても幾つかのパターンに限定されて来ます。

 まずで表した柄です。
点の柄

 上から…ピンスポット(針の頭)ネイルヘッド(釘の頭)バーズアイ
(鳥の目)
と呼ばれている物です。ネイルヘッドの見本には「Nail-head or
Bird-eye」と書かれています。点の大きさが厳密に決まっている訳ではあり
ませんので、これは ”微妙な大きさ” という事なのでしょう。この点の柄は、
縞に比べると品が良い…という感覚だったようで、昔は人気がありました。
当時は三つ揃いが主流でしたし、今よりも襟の空き具合なども狭く生地が見
える率が高かったので、縞を選ぶとかなり派手になってしまったからだと思
います。今ではあまり使われなくなってしまいました。

 次に、ダイアゴナルです。
ダイアゴナル

 普通生地には裏表があって、表側はカタカナの "ノ" の字…つまり右上から
左下に向かって斜めの綾
があります。この綾を特にハッキリ見えるようにし
た柄をダイアゴナルと言います。また、ダイアゴナルと同じ柄出しで、織り柄
(糸の色を変えずに織る)の物をサージと言います。
 今から50年位前の事になりますが、当時学生服はほとんどサージで作って
いました。大学生が就職活動をする際、今とは違って学生服を着ましたので、
4年生になると学生服を新調したそうで、その時期になるとサージが大量に使
われていたのです。
 当時の新入社員は皆濃い紺色の学生服というスタイルでしたが、いつの日か
濃いグレーのスーツが主流となり、今では黒のスーツが多くなったそうです。
勿論今はサージではなく、通年着れるような薄手の生地やニット素材の生地に
変わっている筈です。

 続いて、昔も今も人気のある杉綾(ヘリンボーン)です。
ヘリンボーン1,2,3

 真ん中の生地は非常に大きな柄のコート地用。右側はヘリンボーンの変形です。
ツィード地でジャケットなどを作る場合は、このヘリンボーン柄を選ぶお客様が
とても多くいらっしゃいます。色によっては派手な物もありますが、そのような
色使いでも比較的抵抗なく着こなせる柄の一つなのだと思います。

 この続きは、次回にお話しましょう。


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://kinntailor.blog98.fc2.com/tb.php/289-cb0ec723

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR