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#197.懐かしい仕事の話

Posted by KINN Tailor on 22.2014 懐かしい話   0 comments   0 trackback
 先日、あるお客様から頂いた仕事で懐かしい物を見つけましたので、今回
は生地の話しをお休みして、その事を取り上げたいと思います。

 ご注文頂いたのは、英国のアンダーソンシェパード(ANDERSON&SHE
PPARD)
のジャケットのお直しでした。アンダーソンシェパードの服は何回
か見た事がありましたので、お引受けしました。
 いざ直しに掛かろうと色々と見てみると・・・とても懐かしい仕事をして
あったので、ふと…あるお客様の事を思い出しました。
 そのお客様=M氏が、1970年頃に英国に旅行された際に、アンダーソン
シェパードへ行かれて服を作ってお帰りになりました。その方は小柄で細身
の体型
だったのですが、お店の技術者が「あなたはお身体のサイズからして、
あまり"絞り"の強くない服の方がお似合いになると思いますよ」…と言って
デザインをしてくれたそうです。
 そしてその服を持って私共にお越しになったのですが、拝見してみると
のダーツがなく、胸ダーツ1本をアームホールに近いところに取ってライン
を出していた
ので腰の絞りが少ないデザインになっていました。
 普通ジャケットのダーツは、図のように胸ダーツと脇ダーツの2本取りま
すので、この胸ダーツ1本だけ…というのは初めてで、とても驚いたのを覚
えています。
ダーツイラスト**

 M氏は「私にはこの方がいいかも知れないので、今後はこの形で・・・」
とおっしゃいましたので、そのようにしました。実際にやってみると、この
胸ダーツ1本で胸の膨らみと脇の絞りを出す方法は、確かに細身の方には向
いている
…という事がわかりました。
 この方法は特別に難しい訳ではないのですが、ジャケットのダーツは2本
が常識だったために全く思い付かなかったのです。
 アンダーソンシェパードの服は他のお客様も作られていましたが、その方
の場合はダーツが2本でしたので、体型によって使い分けていた訳です。
 その後、細身のお客様の際には事前にご説明をして、ダーツを1本にする
事もありました。
 今では色々と研究を重ねた結果、違うダーツの取り方をしていますので、
このダーツの事は忘れていましたが、今回お預かりしたジャケットのダーツ
が1本でしたので、当時の記憶が一遍に蘇り、つい懐かしくなってブログで
紹介したくなった次第です。

 次回からは生地の話題に戻ります。先日仕事場の整理をしていたら、父が
作った生地見本が出て来ました。今ではなくなってしまった物などあります
ので、そのお話をしたいと思います。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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