Loading…
#197.懐かしい仕事の話
先日、あるお客様から頂いた仕事で懐かしい物を見つけましたので、今回
は生地の話しをお休みして、その事を取り上げたいと思います。
ご注文頂いたのは、英国のアンダーソンシェパード(ANDERSON&SHE
PPARD)のジャケットのお直しでした。アンダーソンシェパードの服は何回
か見た事がありましたので、お引受けしました。
いざ直しに掛かろうと色々と見てみると・・・とても懐かしい仕事をして
あったので、ふと…あるお客様の事を思い出しました。
そのお客様=M氏が、1970年頃に英国に旅行された際に、アンダーソン
シェパードへ行かれて服を作ってお帰りになりました。その方は小柄で細身
の体型だったのですが、お店の技術者が「あなたはお身体のサイズからして、
あまり"絞り"の強くない服の方がお似合いになると思いますよ」…と言って
デザインをしてくれたそうです。
そしてその服を持って私共にお越しになったのですが、拝見してみると脇
のダーツがなく、胸ダーツ1本をアームホールに近いところに取ってライン
を出していたので腰の絞りが少ないデザインになっていました。
普通ジャケットのダーツは、図のように胸ダーツと脇ダーツの2本取りま
すので、この胸ダーツ1本だけ…というのは初めてで、とても驚いたのを覚
えています。

M氏は「私にはこの方がいいかも知れないので、今後はこの形で・・・」
とおっしゃいましたので、そのようにしました。実際にやってみると、この
胸ダーツ1本で胸の膨らみと脇の絞りを出す方法は、確かに細身の方には向
いている…という事がわかりました。
この方法は特別に難しい訳ではないのですが、ジャケットのダーツは2本
が常識だったために全く思い付かなかったのです。
アンダーソンシェパードの服は他のお客様も作られていましたが、その方
の場合はダーツが2本でしたので、体型によって使い分けていた訳です。
その後、細身のお客様の際には事前にご説明をして、ダーツを1本にする
事もありました。
今では色々と研究を重ねた結果、違うダーツの取り方をしていますので、
このダーツの事は忘れていましたが、今回お預かりしたジャケットのダーツ
が1本でしたので、当時の記憶が一遍に蘇り、つい懐かしくなってブログで
紹介したくなった次第です。
次回からは生地の話題に戻ります。先日仕事場の整理をしていたら、父が
作った生地見本が出て来ました。今ではなくなってしまった物などあります
ので、そのお話をしたいと思います。
は生地の話しをお休みして、その事を取り上げたいと思います。
ご注文頂いたのは、英国のアンダーソンシェパード(ANDERSON&SHE
PPARD)のジャケットのお直しでした。アンダーソンシェパードの服は何回
か見た事がありましたので、お引受けしました。
いざ直しに掛かろうと色々と見てみると・・・とても懐かしい仕事をして
あったので、ふと…あるお客様の事を思い出しました。
そのお客様=M氏が、1970年頃に英国に旅行された際に、アンダーソン
シェパードへ行かれて服を作ってお帰りになりました。その方は小柄で細身
の体型だったのですが、お店の技術者が「あなたはお身体のサイズからして、
あまり"絞り"の強くない服の方がお似合いになると思いますよ」…と言って
デザインをしてくれたそうです。
そしてその服を持って私共にお越しになったのですが、拝見してみると脇
のダーツがなく、胸ダーツ1本をアームホールに近いところに取ってライン
を出していたので腰の絞りが少ないデザインになっていました。
普通ジャケットのダーツは、図のように胸ダーツと脇ダーツの2本取りま
すので、この胸ダーツ1本だけ…というのは初めてで、とても驚いたのを覚
えています。

M氏は「私にはこの方がいいかも知れないので、今後はこの形で・・・」
とおっしゃいましたので、そのようにしました。実際にやってみると、この
胸ダーツ1本で胸の膨らみと脇の絞りを出す方法は、確かに細身の方には向
いている…という事がわかりました。
この方法は特別に難しい訳ではないのですが、ジャケットのダーツは2本
が常識だったために全く思い付かなかったのです。
アンダーソンシェパードの服は他のお客様も作られていましたが、その方
の場合はダーツが2本でしたので、体型によって使い分けていた訳です。
その後、細身のお客様の際には事前にご説明をして、ダーツを1本にする
事もありました。
今では色々と研究を重ねた結果、違うダーツの取り方をしていますので、
このダーツの事は忘れていましたが、今回お預かりしたジャケットのダーツ
が1本でしたので、当時の記憶が一遍に蘇り、つい懐かしくなってブログで
紹介したくなった次第です。
次回からは生地の話題に戻ります。先日仕事場の整理をしていたら、父が
作った生地見本が出て来ました。今ではなくなってしまった物などあります
ので、そのお話をしたいと思います。
trackbackURL:http://kinntailor.blog98.fc2.com/tb.php/272-742ff555