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#019. 芯地:その参

Posted by KINN Tailor on 04.2011 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 「芯」には、毛、麻、木綿、化学繊維など色々な材料を使いますが、それ
ぞれに特徴があります。

 まず「毛」ですが、私どもでも一番多く使うもので、弾力があってシワに
なりにくい…
という特徴があります。
「麻」は通気性に優れ、水に濡れても乾きやすい素材です。「木綿」は麻と
同じ特徴がありますが、麻より軽いのが特徴です。
「化繊」はシワにならなくて洗え、何よりも安価である…といった具合です。

 どの材料を使うかは、作り手の好みで結構なのですが、私は前述したよう
に、最近は「毛芯」が中心となっています。
 毛芯は表地と同じで多少縮んだりしますが、作る時に何回もプレスします
のでトラブルは起きなくなります。
「麻芯」や「木綿芯」は縮む量が多いので、使う前に水に浸けて充分に縮ま
せてから使用
します。

 素材の話からは少し離れますが、私は最初に芯地を作る時に、表地よりも
大きく裁ちます
。そこに表地を充分にしごいて仮付けし服を作っていきます。
 なぜそうするか…と云いますと、作業の工程で万一芯が縮んだりしても、
合わせられるように
考えている訳です。
 これは私どもに限らず、ビスポークテーラーの仕事として「大切な心得」
となっています。

 さて「貝釦」の回で、昔は夏に白の麻の服を着る方が多かった…という話
をしました。
 麻の表地には麻芯がなじみが良い…と思われた筈ですが、芯に使う麻は、
表地の麻とは違い、織が荒いのです。
 どうも今ひとつ上手くなじまず、良い麻芯を探すのに大変苦労しました。
ある時は思い切って、表地の麻をそのまま芯に使ったものです。
 勿論、表地の麻は麻芯に比べれば高価ですから、随分贅沢な使い方だった
のですが、同じ素材で芯ができていると力加減が一緒なので、結果…とても
良い具合でした。
 最近は「化繊芯」がうまくなじんでくれますので、このような苦労はなく
なりましたが、私には昔懐かしい話の一つです。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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