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#018. 芯地:その弐

Posted by KINN Tailor on 28.2011 ジャケットの話   2 comments   0 trackback
 今回は体型に合わせた「芯」作りのお話です。
 下に3型の台芯があります。(a)はごく一般的な体型の方、(b)は
胸の大きな方、(c)は胸もお腹も大きな方です。

芯地 その弐 差し替え*

 ご覧頂いてわかるように、どの部分が大きいかによってダーツを取る量、
ダーツの数、ダーツの向き(形)が変わってきます。
 大切なことは、ダーツの量を多くしたい場合、一カ所で沢山取るのでは
なくダーツの数を増やし分散させることです。この方が自然なラインの膨
らみ
が出ます。
 どの体型でも共通していることは、「台芯」と「力芯」に入れるダーツ
は位置をずらす
…ということです。
(d)がバスですが、このように台芯のダーツの位置と重ならないように
ダーツを取ります。
 ダーツのためにカットしたところは、テープを貼りミシンをかけますが、
やはりそこは弱くなりますので、芯の強さを均等にするために場所を変え
るのです。

 細身の方の芯はどうするかというと…円筒に近い体型なので、ダーツ量
を減らし、主に縦方向のダーツを中心にして立体感を出します
 また、私のこだわりの部分でもありますが、胸の裏ポケットに沢山物を
入れても表側に影響がない…というのが観た目に美しいと思います。
 男性の場合は裏ポケットに色々と物を入れられるケースが多いようです
ので、オーダー内容を伺う際に、ポケットに何をどの位入れられるかなど
を、かなり細かく教えて頂きます。
 物を入れても入れなくても胸の“はらみ”が変わらないようにする必要が
ありますので、ダーツ量は多めにします。
 ですから細い方の割にはダーツ量の多い芯を作る…ということも少なく
ありません。
 後は、前かがみの方、反り身の方などによって、どこにどう“はらみ”を
持たせるか
…などを考慮し、体型別に芯を作っていく訳です。

 仮縫いで、芯地に表地を載せて躾を打ち、アイロンでなじませた時に、
思い描いていた通りのラインが出せた時など、お客様のフィッティングが
とても楽しみになる瞬間です。

 次回は「芯」の種類についてお話ししましょう。

表地のアイロンワークのみならず、芯地が胸の立体感やはらみを出すのに重要なのですね。見えないところに手が掛けられ、あのエレガントなラインが出るのですね。着る人の個性をこわさず美しいフォルムを出し、しかも動きやすく、動いている時も様になる洋服。さらに、長い着用に耐えられるようにとなると、積み上げられた技術も一つの文化ですね。
2011.04.01 21:23 | URL | リカルド #- [edit]
> リカルド様
> いつもありがとうございます。
> 今回は3回にも渡り「芯」についてお話しをしてしまいました。
> 少々専門的になり過ぎたかと懸念しておりましたが、この様な
コメントを頂戴し、ホッと致しました。
> 今後とも宜しくお願いいたします。
2011.04.05 11:21 | URL | KINN Tailor #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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