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#183.パンツのカーブの話 その弐 シートピース
それでは、カーブの途中に切れ込みを入れる技法をご紹介しましょう。

股下の一部を別布で裁ち、それを縫い合わせた後に縫い代の部分だけ糸を
ほどき、縫い目を割りやすくします。この別布の事を「シートピース(Seat
piece)」と言います。
これは決して生地の幅が足りないから別布を裁って付けているのではなく、
アイロンワークを楽にするためのものなのです。
勿論幅が足りなかったり直しで尻囲や腿にゆとりを付けたくなった場合に
シートピースを用いる事もありますが、縫い目を割りやすくするために行う
のは英国ではごく一般的な事なのです。
更にシートピースは、股下以外にもサスペンダー式のパンツの時に使う事
があります。
図b.のように、サスペンダー式のパンツは腰から上の部分を長く作ります。
腰のくぼみの上までの長さが必要ですから、お尻からくぼみに向かって一度
凹み、そこからまた拡がらないと綺麗にフィットません。つまり腰から考え
ても2~3cm凹んだカーブになるのですが、ここがまた縫い目が割りにくく
なるので、シートピースを使うと綺麗にできる訳です。

このシートピースについては好みがハッキリ分かれていて「布をたっぷり
使わないから生地を足している」と考えてしまう方もいらっしゃるようです。
前述したように、そういった場合もあるかとは思いますが、そうではなく
着心地やフィットのために使う事も多いのです。
また、シートピースを使う箇所はあまり人から見える所ではありません。
あくまでも"お好み"の範囲なので何とも言えませんが、誤解されている方は
是非ご理解頂きたいものです。
最後に・・・私がパンツの股の縫込みを付ける時になぜ多くするのか、特
に内腿側も沢山付けるのかを説明しておきます。
パンツを大幅にお直しする場合、胴囲だけ大きくする時は図c.の左のよう
に縫込みの上の方だけ拡げます。そして尻囲まで直さなければならない時は
右の図のように股のカーブの所まで拡げなければなりません。
そうすると股のクリが小さくなってしまいますから、お尻が入るべくクリ
も大きく描き直さなければならないのです。
結果的には股下の縫い目が長くなるの訳ですが、この長さがないと納まら
ないのです。

このように…1箇所の直しのつもりでも、直す部分によっては連動した他
の箇所も一緒に直さないと不具合が起きてしまうのです。
縫い代を付ける場合は、そこまで考えて付けないといけないのです。

股下の一部を別布で裁ち、それを縫い合わせた後に縫い代の部分だけ糸を
ほどき、縫い目を割りやすくします。この別布の事を「シートピース(Seat
piece)」と言います。
これは決して生地の幅が足りないから別布を裁って付けているのではなく、
アイロンワークを楽にするためのものなのです。
勿論幅が足りなかったり直しで尻囲や腿にゆとりを付けたくなった場合に
シートピースを用いる事もありますが、縫い目を割りやすくするために行う
のは英国ではごく一般的な事なのです。
更にシートピースは、股下以外にもサスペンダー式のパンツの時に使う事
があります。
図b.のように、サスペンダー式のパンツは腰から上の部分を長く作ります。
腰のくぼみの上までの長さが必要ですから、お尻からくぼみに向かって一度
凹み、そこからまた拡がらないと綺麗にフィットません。つまり腰から考え
ても2~3cm凹んだカーブになるのですが、ここがまた縫い目が割りにくく
なるので、シートピースを使うと綺麗にできる訳です。

このシートピースについては好みがハッキリ分かれていて「布をたっぷり
使わないから生地を足している」と考えてしまう方もいらっしゃるようです。
前述したように、そういった場合もあるかとは思いますが、そうではなく
着心地やフィットのために使う事も多いのです。
また、シートピースを使う箇所はあまり人から見える所ではありません。
あくまでも"お好み"の範囲なので何とも言えませんが、誤解されている方は
是非ご理解頂きたいものです。
最後に・・・私がパンツの股の縫込みを付ける時になぜ多くするのか、特
に内腿側も沢山付けるのかを説明しておきます。
パンツを大幅にお直しする場合、胴囲だけ大きくする時は図c.の左のよう
に縫込みの上の方だけ拡げます。そして尻囲まで直さなければならない時は
右の図のように股のカーブの所まで拡げなければなりません。
そうすると股のクリが小さくなってしまいますから、お尻が入るべくクリ
も大きく描き直さなければならないのです。
結果的には股下の縫い目が長くなるの訳ですが、この長さがないと納まら
ないのです。

このように…1箇所の直しのつもりでも、直す部分によっては連動した他
の箇所も一緒に直さないと不具合が起きてしまうのです。
縫い代を付ける場合は、そこまで考えて付けないといけないのです。
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