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#017. 芯地:その壱

Posted by KINN Tailor on 21.2011 ジャケットの話   2 comments   0 trackback
 このたびの大震災…未だ予断を許しませんが、被災された方々に、心より
お見舞い申し上げます。
 また身を削って救援・救護にあたられる方々、復旧へ様々な支援をなさる
方々に、心より敬意を表します。


             *    *    *

 今回は、「芯地」ついてお話します。
 ジャケットを作る時、はとても重要な役割をします。
 表からは見えないものなので、一般の方にはわかりにくいかと思いますが、
体型によって型が違いますし、素材も様々です。

 芯の構造についてご説明しますと・・・
基礎になる「台芯」「バス」と呼ばれる力芯が付いています(更にこの上
ネルを載せているところもあります)。
 まず、台芯を身頃に合わせて裁断し、ダーツを入れます。
 次に台芯に合わせて「バス」を裁断しダーツを入れ、台芯にハ刺しで止め
ていきます。
芯 その壱*
         *「バス」は漢字では「馬尾毛」と書きます

 昔は"張り"を持たせるために、馬の尾の毛を横糸に使って力芯用の布を織
っていました。
 馬の尾は大変張りがあり「力芯」としては最高だったのですが、あまりに
強すぎて横糸(つまり馬の毛)が飛び出してしまうという欠点がありました。
どうにかすると、表布地にまで突き出してしまうのです。
 これは流石に困りますので、現在は別の素材を使用するようになり「バス」
という名前だけが残りました。
 さて話を戻しまして…「バス」を止め終わったら、肩に縦・横と両方から
切り込みを入れます
(バスは横だけ)。
 私どもの服の特徴の一つですが、肩に切れ込みを入れることによって肩の
動きを良くする
狙いがあります。
 私どものは、これに釦穴の力布を付けて完成です。

 よく「ネル」を載せないのか?…と質問されます。大半の芯にはネルが付
いているからなのでしょうが、私は芯を柔らかく作る主義なので、ネルは使
いません。

 釦穴の力布も穴が開くところだけに入れます。上着の裾まで入れている
ところもありますが、力布は「綿」なのでシワになりやすく、表布に響く
可能性がありますので最短にします。

 ジャケットのフォルムを出す上で、芯は大切な「補助」の役割を果たし
てくれます。

 次回は体型別の「芯」作りについてお話ししたいと思います。

遅まきながら「洋服の話」 (ラピタ・ブックス)を買わせていただきました。このブログ、本を補填する役割もありますね。御本では、服のことはもとより、服部さんご自身の歴史に触れられて、心地よく読了いたしました。
2011.03.27 10:40 | URL | 坪井慈朗 #- [edit]
坪井滋朗様
本をご購入頂き、ありがとうございます。
早いもので出版してから7年が経ちます。
次回作も検討していましたが、思いついたことを範囲を決めずに
お話ししたいと思い、ブログという形を取りました。
今後共、宜しくお願い致します。
2011.03.28 18:43 | URL | 服部晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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