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#016.裏地

Posted by KINN Tailor on 14.2011 裏地の話   0 comments   0 trackback
 今日は「裏地」のお話です。  
 服の裏地というと、キュプラやアクリルなどの化学繊維を使っている所が
ほとんどどですが、私が修業していた頃は、絹かアルパカが主流でした。
 当時は現在のように化学繊維が発達していなかったこともありますが、絹
やアルパカは動物性素材ですので、表地のウールと大変なじみが良く、上質
の服によく使われていました。
 私の店では大部分が絹を使っていましたが、絹は少々摩擦に弱い…という
欠点があったため、袖裏ベストの裏そしてパンツの腰裏の三か所は、綿と
レーヨンの混紡の厚手の生地
を使いました。

裏地
          ※縞の生地が綿とレーヨン混紡の裏地

 現在では化学繊維も発達し、丈夫さやコスト面から絹を使うことも少なく
なりました。
 たまに、着物地やスカーフをお持ちになって「裏地」にする、大変贅沢な
ご注文をされる方もいらっしゃいますが、9割の方が化学繊維を使われます。
 私どもでは、主にキュプラを使っています。キュプラは科学繊維の一種で
すが、原料がリンターパルプと云って綿花を摘んだ後にサヤの中に残る“毛”
のようなものです。つまり、天然素材を薬品で加工して糸にしているので、
表地のウールやシルクなどに比較的なじみ易いのです。

 化学繊維の良さは原材料の組み合わせによって、さまざまな性質を持った
ものが作れるということです。最近はニット素材の表地が増えていますが、
それに合わせて裏地も伸縮性がなければいけません
こういったものを天然素材で作り上げるのはかなり難しいでしょう。

 最後に「裏地の細工」についてですが…日本では夏になると「背抜き」や
「半裏」「袖裏なし」などの加工をしますが、外国では意外と少ないのです。
「裏地」は滑りを良くするだけでなく、裏側にある芯やポケットの袋などの
諸々の物を隠してくれています

 つまり「裏地」を付けない箇所があるということは、こういった諸々の物
が見えてもいいように処理をしなければならない…ということです。
 これは結構手間がかかりますし細かい作業になります。海外の職人の方は
このような手間がかかることは、あまり得意ではなく、やりたがらないよう
です。
 背抜きや半裏は季節の問題だけでなく、日本人が器用で細工が得意だから
こそ
、できていることなのだと思います。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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