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#174.ヤマガラのおみくじ

Posted by KINN Tailor on 07.2014 懐かしい話   0 comments   0 trackback
 先日、知人と食事をしていた時に懐かしい話になりました。

 私達が20歳位の頃の話ですから、かれこれ60年以上も前の事になります。
終戦からまだ4~5年といったところで、やっと落ち着いた生活を始めた頃だ
ったと思います。
 その頃、学校の仲間たちとちょっとした食事会などで集まったりしました。
場所はもっぱら神田辺りが多かったのですが、手頃なお店が沢山あった事が
理由のようです。
 私は鉄道マニアなので、神田にあった「交通博物館」に遊びに行ったり、
ラジオを自分で作ったりする事もあったので、秋葉原の電気街に足を運んだ
りしていましたから、当時から神田は非常に親しみのある街でした。
 学校仲間との食事会の後の楽しみが、神田から日本橋、銀座、新橋とぶら
ぶらして家に帰る事でした。当時の銀座通りは今とは全く様子が違っていて、
道端に沢山の露店が出ていました。以前「怪しい話」で紹介した手のお店が
ずらりと並んでいる訳ですから、それを見ながら歩くのが実に楽しく、新橋
まで歩くのもちっとも苦になりませんでした。
 その中でよく覚えているのが「小鳥のおみくじ」です。年配の男性が台の
上に小鳥(多分…ヤマガラだったと思います)の入った籠と模型のお社を置
いていて「ハイ、おみくじです!」と声を掛けて来ます。たぶん1回10銭
だったと思うのですが、銅貨を台の上に載せるとおじさんが色々と口上を述
べながら鳥籠を開けます。そうするとヤマガラが出て来て銅貨を咥えてお社
までピョンピョンと飛んでいき、賽銭箱にお金を入れて、神社の前にある
を鳴らします。その後お宮の中からおみくじを1枚咥えて戻って来るのです。
 これだけでもよく訓練したものだと感心しますが、一番驚いたのはお金を
載せる台の上におみくじを置いた後に、クチバシを器用に使っておみくじの
封を切る
事です。そしてその後は自分から籠の中に入って、おじさんが籠の
入り口を閉めるのを待って・・・終了となります。
 見物していた人達も面白かったのでしょう、次から次へと銅貨を出すので
すが、実によく仕込まれたもので、何度やっても同じ動作を間違えずに繰り
返すのです。いくら訓練したとはいえ、あんな小さな鳥でも教えると覚える
ものなのだなぁ…とつくづく感心したものです。

ヤマガラ**

 その辺りの露店は闇市みたいなものですから、かなり怪しいお店ばかりで
したが、この"ヤマガラのおみくじ"はウソがなさそうだ…という印象でした。
 近頃は全く見かけなくなってしまいましたが、ヤマガラに芸を仕込むのが
大変で、なくなってしまったのかも知れません。もしあるようでしたら是非
見てみたいものです。どなたかご存知でしたらお知らせ下さい。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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