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#171.リフォームの話 その壱

Posted by KINN Tailor on 17.2014 補正の話   0 comments   0 trackback
 ここ数年、服をリフォームする方が増えているようです。
 丈の長さを変えたり、単純に幅だけを直すのは比較的問題がないようです
が、もっと大掛かりなものになるとスンナリいかない場合があるようです。
 また、ただ直すだけでなく着てみて格好の良い服動ける服にならなけれ
ば、「折角お金もかけて直したのに・・・」という結果になってしまう事に
もなり兼ねません。
 リフォームのお仕事をされている方の殆どが、その服がどういう風にして
作られたのかを知らずに直しをする訳ですから、服を解いてみて「これは困
ったな」という事も少なくない筈です。
 このブログでも何度か話題にしましたが、ジャケットなどは大きくするよ
りも小さくする事の方が難しい場合が多いのです。

 そこで、先日コメントでも質問を頂いたジャケットのサイズを小さくする
方法について説明したいと思います。
 例題として、①肩幅は変えずに、身頃の幅を小さくする ②肩幅、身頃を
小さくする…の2つを取り上げてみます。
 今回はまず、①肩幅を変えずに身頃を小さくする場合についてです。
 
 仮に胸周りで6cm小さくするとしましょう(前身、後身で同じ量を小さく
する)。一回りで6cmですから、脇の縫目でそれぞれ3cm(前身1.5cm後身
1.5cm)詰めればいい訳です。
 ここで注意したいのが、(図a.を見るとわかりますが)後身の脇を1.5cm
詰めるとなるとアームホールにも影響が出てきますので、背幅も小さくなり
ます。ところが前身頃は、アームホールの形は変わりますが、このままでは
胸幅は変わりません。
 このままですと、前が広く背中の狭い服になってしまいますから、胸幅
調整しなければならない訳です。

図a**

 普通のジャケットで考えてみると、胸周りの寸法に対しての割合は、胸幅
=3/8、背幅=3/8、アームホール幅=1/4位ですから、この割合を参考にし
て胸幅を狭くします。つまり胸幅を調整しないと、胸幅が広くて前身のアー
ムホールの幅が狭い服になってしまうのです。
 胸周りの寸法に対して、上記の割合で胸幅と背幅を調整すると図b.になり
ます。

図b**

 身頃の幅が全体的に小さくなり、それに合わせてアームホールも小さくな
りますので、袖をそのまま付ける場合はイセ込みを多くしなければなりませ
ん(主に下袖側)。
 また身頃を詰める量が大きい場合は、袖も調整する必要が生じます。その
場合は、まず初めに下袖側を小さくします。山袖側は余程注意してやらない
と山の形が変わってしまい処理できなくなりますから、気を付けて下さい。
袖の幅はアームホール幅の1.5倍必要ですから、それに合わせて調整します。

図c**

 袖は後の縫目には釦などの細工があり、解いたりするのが大変なので、
の縫目で幅を詰めて下袖の谷のラインを調整
します。但しこの部分には生地
が余分に入っている事が少ないので、山袖前側のラインを下げて調整します。

 尚、一つ覚えておいて頂きたい大切な事があります。それはアームホール
を狭くするとアームホールが縦長になる…という事です。なぜなら幅が狭く
なるのに深さが変わらないからです。これは袖としての動きが悪くなる事を
意味します。この点を考えて調整しないと、手が全く上がらない袖になって
しまい兼ねません。くれぐれもご注意頂きたいと思います。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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