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#163. 柄の出し方

Posted by KINN Tailor on 20.2014 柄合わせの話   0 comments   0 trackback
 先日、とても大柄なグレンチェックの裁断をしました。
 格子の大きさが8cm×10cm位あり、更に千鳥格子が組み合わさっている
柄です。
 お客様のご要望が「柄を斜めに合わせる」事でしたので「これは結構骨が
折れるな・・・」と思いながら取り掛かりました。実は普通の格子は横より
も縦の方が長いので(タータンチェックは別)、斜めに柄合わせをするとな
ると、縦横にズレが出てしまうのです。
 普段はチョークを引いた後、布地2枚一緒に鋏を入れますが、このような
場合はチョークを入れた後、上の一枚だけ布を裁ち、下の布の格子が上の布
に合うように微妙にずらしながらもう一枚を裁つ必要があるのです。
 躾を打つ時も2枚の布の格子が合う様に目を凝らします。ただ布地は元々
柔らかい物ですから、定規で線を引いた時のように縦横がぴったり同じに織
れている訳ではありません。ですから極端にやかましく言えば、完全に合っ
ていないのかも知れませんが、縫い合わせた所を開いてみて、柄がすんなり
つながって見えれば良し…としないと目が回りそうになります。
 格子合わせは通常、横の柄を合わせる事のが多いのですが、斜めとなると
縦横両方の柄を気にしなければなりませんので骨が折れる訳です。

格子柄写真ペンあり**

 さて柄合わせの話が出たところで一寸普段は気が付かない話をしましょう。
 それは斜め…つまりダイアゴナルの場合です。普通ダイアゴナルの柄は図a.
のように右から左へ、前身頃全体で柄が流れるようにします。

kousi図a**

 これで別に違和感はないのですが、実はこれは柄が左右対称ではない…と
いう事に気づかれましたでしょうか?
 裁断の時は布を縦半分に折って、型紙を載せて2枚の布を一緒に裁つ事に
よって左右対称になります。でもこれは型紙が左右対称なだけで、布は一枚
の物を半分に折っている訳ですから、ダイアゴナルの柄は対称でないのです。

kousi図b**

 柄を対称にするためには、1枚ずつ縦と横に裁断をしなければなりません。
そうすると柄は図c.になります。

kousi図c**


 お好みによりますが、この柄は見慣れていない事もあり、ちょっと個性的
ですね。
 つまり柄合わせは余程何かの狙いがない限り、見てすんなり見えるように
合わせる方が無難
…という事なのだと思います。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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