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#015.貝釦

Posted by KINN Tailor on 07.2011 アクセサリーの話   2 comments   0 trackback
 今年は平城京遷都から1300年ということで、奈良で大きなイベントが行わ
れているようですが、奈良は意外なところで服飾と関係があるのです。
 それは、日本で使われている「貝釦(ボタン)」の上質な物は、奈良で作られ
ていた…ということです。
 奈良はご存知の通り、紀伊半島の真ん中に位置していますから、海には面し
ておらず、貝とはあまり縁がなさそうなのですが、貝釦を作る業者は奈良に多
かった
ようです。

 私の知り合いで、日本有数のワイシャツメーカーであったKさんは、ずっと
奈良で作られた釦を使っていました。
 かなり昔の話になりますが…日本は天然の真珠採りでは世界でも有名でした
が、はるばる南洋の“アラフラ海”まで出かけて行って、真珠を採っていたのだ
そうです。
 真珠と一緒に貝殻も採れますが、この貝殻が“マザーパール”と呼ばれて貝釦
の材料としては最高のもの
だったのです。
 この貝釦を専門に取扱っていたお店があって、確か「アラフラ商会」(!)と
いう名前でした。
 天然真珠の中には物凄く大きな物もあったようで、そのような真珠の貝殻は
かなり大きくてぶ厚く、とても肉厚で立派な「貝釦・白蝶貝」
ができたと聞い
ています。
 現在、日本では天然真珠を採りに外洋へ行くことはありませんから、昔の
ような厚い立派な天然の“白蝶貝の釦”は少なくなってしまい、現在入手できる
物は殆どがタカセ貝の釦だと思います。

 昔は“白蝶貝の釦”が盛んに使われたましたが、それは5~60年前、夏に紳士
が白い麻のスーツを着るのが大流行していた故もあります。
 白い麻のスーツに“白蝶貝の釦”はとても良く似合うのです。
 現在は白の麻のスーツをお召しになる方はあまり見かけなくなりましたが、
“立派な白蝶貝“が手に入らなくなったことは、とても残念です。

         釦1*

 さて冒頭に触れた、良い貝釦が奈良でできる不思議ですが、歴史的に見る
奈良は商業都市だったようですから、海に面していなくても色々な商品の
やり取りがあって、貝釦もその一つだったのかも知れませんし、或いは奈良
の辺りに細工物の達人が沢山いたのかも知れませんね。


年頭に紹介しました “Equality”の準備が整いました。
ホームページの「プレタポルテ」を、是非ご覧下さい。



イクアリティーシリーズにスーツはありますか?
2011.03.07 12:37 | URL | お名前 #- [edit]
お問い合わせありがとうございます。
イクオリティはジャケットのみ、となります。
宜しくお願いいたします。
2011.03.08 12:09 | URL | KINN Tailor #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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