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#148.生地の目方

Posted by KINN Tailor on 30.2013 生地の話   0 comments   0 trackback
 私は普段、自分の服はあまり作らないのですが、今年に限っては何点かを
新調する事にしました。
 理由は単純で、体重が3kg程減ってしまい以前の服では具合が悪くなって
しまったのです。
 ウチの家系はどうやら歳を取る程に痩せていくらしく、ある意味予想通り
なのですが、痩せてみて実感した事があります。
 それは私がまだ若く、父が元気だった頃に聞いた話で、その時は直ぐには
理解できなかったのですが・・・

 古くからのお客様・K氏は神戸にお住まいで、年に1~2回の割合でお越し
になっていました。
 K氏は替え上着、それも格子柄の上着が大好きで、店に良い生地が入ると
決まって2点、3点と買われました。お買い上げになった生地は店でお預かり
し、その中から次に作られる生地を選ばれる…という方法をとっていらしゃ
いました
 K氏には長くご贔屓にして頂いていましたので、お預かりしている生地も
かなり大量になっていました。私の父とは同じ歳で「お互いに体に気をつけ
て長生きしましょうよ」とおっしゃっていましたが、だんだんお年を召すに
つれて洋服の”目方”を気にされるようになりました。
 生地を選ぶ時は大抵は目方よりも柄や色を優先してしまうものですが、歳
を取ってくると生地の重さが重要になってくるようで、軽い生地から順に
られるようになりました。
 当時、私はまだ30歳になる前でしたから「そういうものなのか・・・」と
いう程度にしか感じませんでしたし、その後他のお客様からも「最近年を取
ったせいで、軽い生地が楽でいいんだよ」というお話を伺う事も何回もあり
ましたが、何となく他人事という感じでした。
 私はもともとロングコートが好き…という事もありますが、むしろ少し重
いコートの方を好んでいたところもあります。ところが、いざ年齢を重ねて
体重が減ると「なるほど」と思う訳で、K氏の「生地は沢山あるけど、軽い物
から作る」はもっともだったと思います。
 ただ、本当に寒い時には「重い」オーバーコートの方が幾分暖かく感じら
れる場合もありますし、特に風の強い時などは目方が物をいう事もあります。
 昔、寒い夜に布団に入った時は、軽い羽根布団よりも少々重たい綿の布団
の方が、何となく暖かく感じて安心したものです。単に人間の心理的なもの
なのかも知れませんが・・・。

 今年はかなり寒いらしいので、コートも新調しようかと思っていますが、
色々考えると軽い方がいいのか?、目方もある程度必要か?…などと悩んで
しまいます。中肉のツィードで、カバーツコート(Covert Coat)でも仕立
ててみようか…と画策中です。
カバーツコート**


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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