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#129.柄合わせ 格子 〜最終話〜

Posted by KINN Tailor on 20.2013 柄合わせの話   0 comments   0 trackback
 格子柄を裁断する上で、難しい要素のあるのがです。

 人間の腕の下がり具合を見てみると、手首の位置は肩の付け根よりも少し
前に行っています。ですから袖の製図をすると、肩よりも袖口が前に出てい
る形になります。さて、この型紙を生地にどう置くか…が問題です。
格子柄袖a**
 まず、図のように袖がジャケットに付く角度を考えて柄を合わせないと横
の柄が後下がりになってしまいます。
 そしてもう一つ問題なのが、袖付けの所で横の柄を合わせると、肘から下
の方(手首に近い所が一番分かりやすい)の横柄が身頃と合わなくなって来
るのです。
格子柄b**
 これは、身頃にダーツをとったりして膨らみを持たせるので横柄が真直ぐ
に通らなくなります。袖は真直ぐに落ちていますので、どうしても横柄は合
いません。
 近頃はこれを嫌って、袖付けの所で横の柄をずらして袖付けをしている製
品も出て来ています。
 これも好みですからどちらが良い悪いという事ではありませんが、着用し
た後に袖は一番動きが出る所なので、横柄が全てきっちり合わなくてもいい
のではないかな…と私は思っています。

 そう云えば、お客様から面白いご要望を頂いたのを思い出しました。
 その方は絵がとてもお上手で、ご自分でデザイン画を描いて送って下さい
ました。
格子柄イラストC**
 普通ラペルの端には縦の地の目を通しますが、この方は斜めに地の目を通
という物でした。イタリアのカラチェニのお弟子さんが作った服の写真も
同封されていましたが、これは縞物でダブルのかなりカーブの強いラペルに
斜めの縞柄が出ていました。それをグレンチェックで作ったのですが、仕上
がってみると襟のカーブが強かった為か、特に襟の柄が強調される訳でもなく、
自然な感じでちょっと拘りのあるジャケットに仕上がりました。

 さて、最後にパンツの話です。
 パンツで問題になるのは、横の柄合わせです。
 私はパンツもくせ取りをしますので、図のように柄も変化します。ですか
ら、実際に前身頃と後身頃を縫い合わせると、膝から下の方はある程度横柄
が合いますが、上の方は全く合わない訳です。
 最初の頃は、お客様に「履き心地柄合わせとどちらを優先されますか?」
というような事を聞いていましたが、くせ取りをしないと履き心地は勿論で
すが、全体のラインが綺麗になりませんし、私の服ではなくなってしまいま
すので、今は特にお話をしていません。
 ただこれもお好みというのがありますので、難しい問題ではあります。
 今まで特に「柄が合っていないから困る」とお客様に言われた事はないの
ですが、もしかすると、外国の生地見本でたまに見かけるような非常に大き
くてハッキリした柄のパンツを作られる方があまりいらっしゃらないからな
のかも知れません。
パンツ柄合わせd**


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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