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#122.ボディの話 紳士用

Posted by KINN Tailor on 01.2013 ボディの話   0 comments   0 trackback
 私共の店には現在、紳士物のボディが4体あります。
 紳士服の場合は、ボディの上で組み立てる…ということはしませんので、
お客様に合わせた数は必要ありませんが、サイズの違うものを揃えると最低
でも3~4体は持つ必要があります。
 私は、洋服がある程度仕上がった時にボディに掛けて様子を見たりします
が、あまりボディに頼る事はないので、あくまでも様子を見る…という範囲
の使い方です。
 以前は、仮縫いにあまりお越しになれないお客様で、特徴のある体型の方
などの場合、ボディに布をかぶせて綿を入れるなどの細工をした上で着せて
みたりしましたが、最近はそれもしなくなりました。
 多分、お客様の体型の捉え方が以前よりも上達したのかも知れません。

 ボディと云うと、思い出される話があります。
 今から40~50年前、まだ注文洋服が盛んだった頃は「洋服コンクール」
が盛んに催されていました。
 特に大きな大会が年に一度開催され、優勝者には「高松宮賞」が贈られて
いましたので、全国の沢山の洋服屋が出品していました。
 当時の審査の仕方は今と違い、ボディに着せた服を採点する…という形式
でした。そしてそのボディは、出品する際に出品者が自分で買ったボディに
着せた状態で納めていたので、実は ”ボディの出来” で随分と見栄えが違って
いたのです。
 ボディメーカーはわざわざ「コンクール用ボディ」というのを作って売り
出すようになった程でした。何しろ都心の結構有名な場所が会場になってい
ましたし、洋服が好きな一般のお客様や、各地から洋服屋や業界の人が沢山
来ていましたから、メーカーとしてもボディを宣伝するのに良いチャンスだ
と思っていたのでしょう。
 ところがこのようにボディに着せた服を出品して審査するとなると、ボデ
ィに着せた状態が綺麗かどうか
ということがポイントになってしまう訳です。
その内に「あれは人台の芸術じゃないか(ボディのことを昔はジンダイという
人が多かった)!」という意見が沢山出るようになって、最後の頃はモデル
に着せて審査するようになったようです。
 ボディはあくまでもボディな訳ですから、やはり人が着て動いてみないと
分からない…という事なのでしょう。

さて、私もたまに雑誌の取材のお話を頂くのですが、その際に洋服の写真を
撮る時モデルに着て貰うのは難しいので、その場合ハンガーではなくボディ
に着せて
撮影するようにお願いしています。
 ご存知のようにハンガーはしかありませんから、立体的な服が綺麗に見
える筈がないのです。それなのに、ハンガーに掛けた時の見栄え(俗に云う
”ハンガーづら”)を気にされる方が多いのにはちょっと不思議な気がします。


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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