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#105.講師時代の話 その壱 円形ゲージ

Posted by KINN Tailor on 03.2012 講師時代の話   0 comments   0 trackback
 私は色々な事情で、24歳の時から職業訓練校の講師をしていました。
 私の担当した授業は製図でしたが、製図は洋服作りの根本ですから責任は
重かったですし、まだ若かったので苦労もあったのですが、その分やり甲斐
ありました。
 このブログではお馴染みの言い回しになってしまいましたが、私は何でも
「自分で作ってみよう」というところがあり、この時もその挑戦心が騒ぎ出
したのか、授業用に色々な物を作って使っていました。
 その一つについてお話ししましょう。

 私が使っている「短寸式」は外国の裁断書を基礎にしていますが、当時と
しては一般的ではなかったため、受講者の方には少々分かりにくいところも
あったようです。
 短寸式は、名前の通り沢山の箇所を採寸する訳ですが、きちんと採寸でき
ないと当然の事ながら上手に製図をすることができなくなってしまいます。
その裁断書の中に、短寸式において重要な箇所の寸法一覧が載っていたので、
実際に採寸した後その一覧表の数字を目安にして製図をしていました。
 但しこの表はとても細かかったために見るのが大変で、うっかり行を間違
えたりすると面倒な事になるので、どうにか良い方法はないかと考え、試行
錯誤して作ったのが「円形ゲージ」なるものです。
 これは2枚の円盤を重ねた物で、下の盤に数字がずらっと書いてあります。
表の盤の外枠にはBREST(胸囲)、内枠はFULL HEIGHT(身長)とあり、
それぞれ穴が空いています。
 盤を回してこの数字を合わせると、BLADE(ブレード)、SCYE DEPTH
(鎌深)、STRAP(前肩)、OVER SHOULDER(越肩)の穴に数字が出て
来る仕組みになっています。つまり胸囲身長の2つの数字を合わせると、
4つの寸法が出て来る…という訳です。
 これですと知りたい数字だけが見えますので間違える事もない訳で、でき
た時は我ながらなかなかの力作だと思いましたし、実際に使っても大変便利
で重宝していました。
 先日このゲージの事を思い出して、ブログに写真を載せようと引張り出し
て見て、ちょっと驚きました。
 自分が思っていたよりも中の数字がとても細かかったのです。かなり細い
ペンを使って書いていたようですが、これだけの数字を間違えずに書き込む
ことができたのは、やはり若かった…という事に尽きると思います。
 当時の私の視力は裸眼で両眼共1.5でしたから相当良く見えていたのだと
思います。今ではこの細かい数字を見るだけでも大変ですし、これを書く気
には・・・とてもなれません。青春時代の懐かしい作品です。
ゲージ**
 円形ゲージ


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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