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#104.ファスナーの話

Posted by KINN Tailor on 25.2012 アクセサリーの話   0 comments   0 trackback
 ファスナーは服やバッグにとどまらず、色々な所で使われていて実に種類
が豊富です。とても便利な物ですが、一体いつ頃からあったのでしょう?
 一寸調べてみたところ、どうやら1890年代には既に使われていたようです
ので、思ったより古くから存在していたようです。

 私たち洋服関係ですと、まず紳士物ではパンツの前、婦人物ではスカート
やパンツ、ワンピースなどに使いますが、現在は用途別に種類も増えて来ま
した。
 昔のファスナーは丈夫な布に金属のツメ(務歯→ムシと云います)が付い
ていて、スライダーという金具を動かして開け閉めする代物でした。務歯
洗濯を繰り返すと滑りが悪くなってしまいますので、ロウなどを塗ったりし
て苦労した方も沢山おられたと思います。
 その内にプラスチックファスナーが登場し、続いてナイロンファスナー
発売され、現在ではこれが主流になっています。
 通常は適当な長さに仕上げてある物を使用しますが、業務用としては何m
にも巻いて売られている物もあります。これを自分で必要な長さにカットし
て、留め金などを付けて使う訳です。また、婦人物によく使用するのがコン
シールファスナー
で、これはファスナーの部分が裏側に隠れるようになって
いますので、布を重ねずにファスナー付けることができ、薄く仕上げたい時
には大変便利です。
   ファスナー色々**
(左から)金属製、ナイロン、コンシール、業務用の巻いて売られているファスナー
 さて紳士物のパンツに付けるファスナーですが、実は少々細工が必要なの
です。
 小股(パンツの前の開けるところ)は下の方がカーブしています。そして
紳士物はこのカーブしている箇所までファスナーを付けますので、ファスナ
ーが真直ぐだと上手くないのです。
 以前は真直ぐなファスナーしかありませんでしたので、自分で曲がったフ
ァスナーを作らなければなりませんでした。
 一寸その作り方をご紹介しましょう。
 まず、ファスナーの片側に丈夫な糸を入れて、糸を引いて片側を縮めます。
そして、ファスナーを水の中に漬けて数時間放っておきます。すっかり水が
染み込んだところでアイロンを当てて乾かします。これが結構時間がかかる
のですが、最後に糸を抜いて曲がったファスナーが完成…という訳です。
    ファスナーイラスト**
 この作業は手間がかかって大変で、当時ある教室に教えに行っていました
が、そこの生徒も「なかなか上手く曲がらない…」とボヤく人が少なくあり
ませんでした。
 ところが、その内にメーカーからあらかじめ曲がったファスナーが発売さ
れ、問題は解決されたのです。
 ファスナーを作る時は今でも、最初から部分的に曲がった物を作る訳には
いかないらしく、最初に何mもの長い物を作ってから相応の長さにカットし
ていく…という工程を経るため「高級品」として扱われています。
 値段も当然高いのですが、あの1本1本曲げる苦労を考えると有難いな…
と思わずにはいられません。
       曲がったファスナー**


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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