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#009.お台場

Posted by KINN Tailor on 24.2011 ジャケットの話   2 comments   0 trackback
 “お台場”…と聞くと、「江戸末期、要害の地に設けて大砲を据え付け、
海防に備えた砲台(広辞苑)」を思い浮かべる方がほとんどだと思います。
 でも、洋服にも“お台場”と呼ばれている箇所があります。

 上着の裏を返して見ると、裏ポケットの口が見返しと裏地両方にかかって
いる場合と、見返しから同じ生地が出っ張っていてその上にポケットの口を
作っている場合があります。この出っ張りの部分を“お台場”と云います。

お台場1*

 なるほど、砲台は陸地から海へ突き出していたのですから、誰か頭の良い
人が名称として思いついたのかも知れません。

 では何故“お台場”を付ける方法と、付けない方法があるのか・・・?
 昔は洋服を大変長い間使うのが当たり前でしたから、着ているうちに裏地
が痛んできます。そこで、裏地を取り替えるということをよくやりました。
その際に、ポケットが見返しとお台場の上に作ってあれば、裏地はその上に
かぶっているだけですから、簡単に取りかえられるわけです。
 しかし、見返しと裏地にまたがってポケットを作っている場合は、取り替
えることができません。(できなくはありませんが、大変です!)
 つまり、“お台場”は裏地を取り替えることを前提に作られたものなのです。
ですから、皆さんの服に“お台場”がなくても、裏地を取りかえる可能性が低
ければ特に問題はない訳です。
 最近では、“お台場”の部分を一つのデザインと考えている方も多く、派手
なステッチを入れたり、見返しの形を変えたりしていることもあるようです。

お台場2*

 中には、裏地にポケットを作ってしまい、見返しとお台場を上から乗せた
ものもあります。但しこれでは、裏地が取り替えられませんね。
 時代の移り変わりと共に、本来の意味をなさず、名前や形だけが残って
いるもの
がありますが、“お台場”もその一つになるのかも知れません。

『BRUTUS』で服部さんの仕事への真摯なお姿を知り、詳しく知りたく思いブログを拝読しました。

30代の女性ですが、やはり男性の身体にしっくりと馴染むスーツ姿は、その方の生き方の一片を見る思いがします。

それを生み出すのが服部さんのような方々なのですね。私のような者が言うのも大変おこがましいのですが…文面の端々からプロフェッショナルの「品」を感じ感動致しました。

ありがとうございます。
2011.01.30 20:08 | URL | 伏見 #- [edit]
伏見様
コメントありがとうございます。
今後とも宜しくお願い致します。
2011.02.01 12:47 | URL | 服部晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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