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#94.製図の本

Posted by KINN Tailor on 17.2012 パターンの話   0 comments   0 trackback
 私が製図の勉強を始めた時、幾つかの教科書を使いました。その中の一つ
の本の冒頭に「あなたはもう縫製は充分できるのでしょうね。まだだったら
この本を読むには少し早いから、もう少し勉強なさい」と書いてありました。
 昔、裁断は技術者の中でも熟練者がするものとされていましたので、この
ような文が載っていたのだと思います。
 今は、仕事を覚えるのに昔のように時間をかけて修業を積む…という事は
できない時代になっているようですし、最初から専門に分かれて作業をする
ことも少なくないようです。
 
 私共の店は大変小規模ですから、父や私は採寸から始まって製図〜裁断〜
縫製〜仕上げを一通り行うという仕事の仕方をしてきました。
 また、父はよく「職人さんに技術を指導するためには一通りできなくては
駄目だよ」と言っていましたし、私自身も同じ思いでしたので全てに携わる
ようにしていました。
 縫製のスピードは職人さんにはとても敵いませんが、一通りの仕事をする
事が製図の研究に大きく影響したことは事実です。

 5~6年前位でしょうか、仕事を始めて60年が経った頃、そろそろ製図の本
を出してもいいかな…という気持になりました。
 私や諸先輩方の技術を後進に伝えたい…との思いから15年前に私塾を開設
しましたが、地方の方や時間的に通えない方などのために、何か他の方法は
ないかと模索していました。そこでまず最初に手掛けたのはDVDでした。 
 修業したくても勤め先がない…という現実もあり、先輩や師匠の作業を生
で見る機会を持てない方が多いようです。ところがこの「作業を見る」事は
極めて大切で、よく云われる「見て覚える→技を盗む」という事に繋がる訳
です。"理屈の前に何となく身体で覚えてしまう" というのが技術屋にとって
は習得の早道で、それには作業が見られる映像=DVDが適しているという事
で、縫製・補正・製図と一通り収録し制作しました。
 "洋服を作る"プロセスをそれこそ網羅した映像ですが、構成上の問題もあり、
その中で充分に紹介でき切れなかったのが製図のプロセスと実際のパターン
例でした。
 私共の店が今年で開店100周年になるという事もあり、”製図の本”を出すに
は絶好のタイミングではないかと思った訳です。

製図の本*

 ところがいざ始めてみると原稿量は膨大で、現在せっせと描いている最中
です。今年中に発売できるかどうかは不明ですが、僭越ながら私の技術を全
て盛り込んだ「集大成」として、できるだけ早い時期に披露したいと思って
います。
 是非ご期待下さい。



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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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