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#008.細腹:その弐
今回は礼服の「細腹」についてお話ししましょう。
礼服の中に「テールコート」と呼ばれるものがあります。モーニングや燕尾
服がこれに相当します。
これらの礼服の場合、背中は2枚で裁ちます。この脇の方の部を「細腹(サイ
バラ)」と云い、テールコートのものは、その独特なラインを出すために最初
から3枚裁ちなのです。
この「細腹」を2枚で裁つ場合もあって、それを「2枚細腹」と呼んでいます。
つまりこの場合は4枚裁ちになるわけです。

この裁断が用いられるようになったのは、意外と新しく1940年頃からです。
皆さん不思議に思われるかも知れませんが、ジャケットよりテールコートの
方が実はずっと昔からあったのです。つまり礼服の方が普通の上着より歴史が
古いのです。
礼装用の服は、昔はかなり身体にぴったり付くように作られていました。
それを、もう少しゆったり着よう…という考えが出て来て、普通のスーツが
できた訳で、いわゆる背広は、英名で"サックコート(Sack Coat)"と呼ばれ
ていました。“袋みたいにゆったりした服”ということですね。
日本でも昔は「ダンブクロ」と呼ばれていた時代もあったと聞いています。
そんな訳で…もともとぴったりフィットさせるための「細腹」は、ゆったりと
したジャケットになって一度なくなり、再度フィットさせようとして取り入れ
られたという訳です。
最近ではストレッチ素材を使い、最後にプレス機で形を出す方法もあるよう
ですので、もしかしたらまた「細腹(サイバラ)」がなくなる時代が来るかも
知れませんね。
※ダンブクロとは、荷物を入れて運ぶ布製の大きな袋のこと
礼服の中に「テールコート」と呼ばれるものがあります。モーニングや燕尾
服がこれに相当します。
これらの礼服の場合、背中は2枚で裁ちます。この脇の方の部を「細腹(サイ
バラ)」と云い、テールコートのものは、その独特なラインを出すために最初
から3枚裁ちなのです。
この「細腹」を2枚で裁つ場合もあって、それを「2枚細腹」と呼んでいます。
つまりこの場合は4枚裁ちになるわけです。

この裁断が用いられるようになったのは、意外と新しく1940年頃からです。
皆さん不思議に思われるかも知れませんが、ジャケットよりテールコートの
方が実はずっと昔からあったのです。つまり礼服の方が普通の上着より歴史が
古いのです。
礼装用の服は、昔はかなり身体にぴったり付くように作られていました。
それを、もう少しゆったり着よう…という考えが出て来て、普通のスーツが
できた訳で、いわゆる背広は、英名で"サックコート(Sack Coat)"と呼ばれ
ていました。“袋みたいにゆったりした服”ということですね。
日本でも昔は「ダンブクロ」と呼ばれていた時代もあったと聞いています。
そんな訳で…もともとぴったりフィットさせるための「細腹」は、ゆったりと
したジャケットになって一度なくなり、再度フィットさせようとして取り入れ
られたという訳です。
最近ではストレッチ素材を使い、最後にプレス機で形を出す方法もあるよう
ですので、もしかしたらまた「細腹(サイバラ)」がなくなる時代が来るかも
知れませんね。
※ダンブクロとは、荷物を入れて運ぶ布製の大きな袋のこと
本日より拝見しています。洋服業界にいるのですが、まだまだ勉強不足ですのでこれからこちらのブログを楽しみながら勉強させていただきます。これからもコメントしていきますので、よろしくお願いします!
ブログに関して…礼服をピッタリと着る意味があったんでしょうか?それともその時代の流行だったんですかね。
ブログに関して…礼服をピッタリと着る意味があったんでしょうか?それともその時代の流行だったんですかね。
Eiさん
ご質問についてですが…礼服の原型ができた時代は、そもそも服が細身でした。
昔の王侯貴族の服を想像されると解りやすいと思います。
でも、それが何故か?と言われますと・・・
やはり当時の流行りだったのかも知れません。
今後共宜しくお願い致します。
ご質問についてですが…礼服の原型ができた時代は、そもそも服が細身でした。
昔の王侯貴族の服を想像されると解りやすいと思います。
でも、それが何故か?と言われますと・・・
やはり当時の流行りだったのかも知れません。
今後共宜しくお願い致します。
岡山のテーラーロンドン、米林です。
ブログが不得手のためにコメントのやり方も存じ上げず失礼していますが
いつも興味深く拝読させて頂いています。
たいへんな労作に感服。
当方の洋服好きなお客様方にもぜひ読むようにと
せっせとお勧めしています。
ますますのご健勝、ご活躍を心よりお祈りしています。
ブログが不得手のためにコメントのやり方も存じ上げず失礼していますが
いつも興味深く拝読させて頂いています。
たいへんな労作に感服。
当方の洋服好きなお客様方にもぜひ読むようにと
せっせとお勧めしています。
ますますのご健勝、ご活躍を心よりお祈りしています。
いつも楽しく、拝読させて頂いております。
今回の「細腹」も、素人の私ですが、興味深く読ませて頂きました。
ところで、胴体部分でも、そのような構造を採るのであれば、非常に可動性や立体構造を要求される袖の作りは、3枚裁ちの方がより、理想的ではないかと思いますが、実際は、仕立て服でも、2枚裁ちが一般的なようですが、どうなのでしょうか。次回、コートを仕立ててもらう時の参考にしたいと思いますので、宜しくお教え下さい。
今回の「細腹」も、素人の私ですが、興味深く読ませて頂きました。
ところで、胴体部分でも、そのような構造を採るのであれば、非常に可動性や立体構造を要求される袖の作りは、3枚裁ちの方がより、理想的ではないかと思いますが、実際は、仕立て服でも、2枚裁ちが一般的なようですが、どうなのでしょうか。次回、コートを仕立ててもらう時の参考にしたいと思いますので、宜しくお教え下さい。
北極星様
袖についてですが…ラグラン袖などは三枚で裁ちますが、これは
立体構造ということではなく、作り易さという理由からです。
いづれ何かの機会に紹介できたらと思います。
今後とも宜しくお願い致します。
袖についてですが…ラグラン袖などは三枚で裁ちますが、これは
立体構造ということではなく、作り易さという理由からです。
いづれ何かの機会に紹介できたらと思います。
今後とも宜しくお願い致します。
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