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#008.細腹:その弐

Posted by KINN Tailor on 17.2011 裁断の話   6 comments   0 trackback
 今回は礼服の「細腹」についてお話ししましょう。

 礼服の中に「テールコート」と呼ばれるものがあります。モーニングや燕尾
服がこれに相当します。
 これらの礼服の場合、背中は2枚で裁ちます。この脇の方の部を「細腹(サイ
バラ)」
と云い、テールコートのものは、その独特なラインを出すために最初
から3枚裁ち
なのです。
 この「細腹」を2枚で裁つ場合もあって、それを「2枚細腹」と呼んでいます。
つまりこの場合は4枚裁ちになるわけです。
細腹 弐**

 この裁断が用いられるようになったのは、意外と新しく1940年頃からです。
 皆さん不思議に思われるかも知れませんが、ジャケットよりテールコートの
方が実はずっと昔からあったのです。つまり礼服の方が普通の上着より歴史が
古い
のです。
 礼装用の服は、昔はかなり身体にぴったり付くように作られていました。
それを、もう少しゆったり着よう…という考えが出て来て、普通のスーツが
できた訳で、いわゆる背広は、英名で"サックコート(Sack Coat)"と呼ばれ
ていました。“袋みたいにゆったりした服”ということですね。

 日本でも昔は「ダンブクロ」と呼ばれていた時代もあったと聞いています。
そんな訳で…もともとぴったりフィットさせるための「細腹」は、ゆったりと
したジャケットになって一度なくなり、再度フィットさせようとして取り入れ
られたという訳です。
 最近ではストレッチ素材を使い、最後にプレス機で形を出す方法もあるよう
ですので、もしかしたらまた「細腹(サイバラ)」がなくなる時代が来るかも
知れませんね。

※ダンブクロとは、荷物を入れて運ぶ布製の大きな袋のこと

本日より拝見しています。洋服業界にいるのですが、まだまだ勉強不足ですのでこれからこちらのブログを楽しみながら勉強させていただきます。これからもコメントしていきますので、よろしくお願いします!
ブログに関して…礼服をピッタリと着る意味があったんでしょうか?それともその時代の流行だったんですかね。
2011.01.17 23:58 | URL | Ei #- [edit]
Eiさん
ご質問についてですが…礼服の原型ができた時代は、そもそも服が細身でした。
昔の王侯貴族の服を想像されると解りやすいと思います。
でも、それが何故か?と言われますと・・・
やはり当時の流行りだったのかも知れません。
今後共宜しくお願い致します。
2011.01.18 18:49 | URL | 服部晋 #- [edit]
岡山のテーラーロンドン、米林です。
ブログが不得手のためにコメントのやり方も存じ上げず失礼していますが
いつも興味深く拝読させて頂いています。
たいへんな労作に感服。
当方の洋服好きなお客様方にもぜひ読むようにと
せっせとお勧めしています。
ますますのご健勝、ご活躍を心よりお祈りしています。
2011.01.21 12:04 | URL | 米林 真 #- [edit]
米林様
いつも色々とご配慮頂き感謝しています。
今後とも宜しくお願い致します。
2011.01.21 16:52 | URL | 服部晋 #- [edit]
いつも楽しく、拝読させて頂いております。
今回の「細腹」も、素人の私ですが、興味深く読ませて頂きました。
ところで、胴体部分でも、そのような構造を採るのであれば、非常に可動性や立体構造を要求される袖の作りは、3枚裁ちの方がより、理想的ではないかと思いますが、実際は、仕立て服でも、2枚裁ちが一般的なようですが、どうなのでしょうか。次回、コートを仕立ててもらう時の参考にしたいと思いますので、宜しくお教え下さい。

2011.01.23 14:00 | URL | 北極星 #ORJcfR3U [edit]
北極星様
袖についてですが…ラグラン袖などは三枚で裁ちますが、これは
立体構造ということではなく、作り易さという理由からです。
いづれ何かの機会に紹介できたらと思います。
今後とも宜しくお願い致します。
2011.01.24 15:40 | URL | 服部晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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