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#88.麻の服

Posted by KINN Tailor on 06.2012 生地の話   2 comments   0 trackback
 地球温暖化の影響でしょうか? 夏の暑さが年々厳しくなっていくように
思います。毎日のように熱中症になった方が救急車で運ばれるニュースを耳
にします。

 そんな気候を反映してか、数年前から「クールビズ」が浸透してきて、今
では夏場にスーツにネクタイを締めている人を見るのが珍しい感じもします。
ただ、ネクタイをしなかったりジャケットを着用しないのは充分理解できる
のですが、男性がタンクトップに脛丈のパンツで出勤するのは、少々だらし
ないと思うのは私だけでしょうか。。。
 通勤の間や内勤の方は良しとしても、やはり仕事で人と会う時にはせめて
ジャケットは羽織ってもらいたいと思います。
 私の生徒さんが「君も洋服屋なんだから何かクールビズの良いデザインを
発表しなさいよ」と勧められた…と相談に来ましたが、だらしなくならない
クールビズ
の服というのはなかなか難しい…ということになりました。
 今のスーツの形は、それこそ100年以上かけて練られた物ですから、新し
いデザインと言ってもそうそう簡単には作れません。過去には普通のスーツ
のジャケットの形で半袖!
というの物もありましたが、やはり頂けません。

 そこで、素材を工夫したらどうだろう、ということになりました。
 以前ブログにも書きましたが、昔は夏といえば「白の麻」が定番でした。
麻は、肌に触れた時にひやっとする感触があり、生地がしっかり張る性質が
ありますので、身体と生地の間を風が抜けるので涼しく感じます。
 昔の服は、今のようにぴっちり身体に密着するデザインではなかったので
見た目にも涼しく見える訳です。
 ところが麻は30年位前から徐々に使われなくなってしまったのです。それ
「シワ」になりやすい…という事です。
 昔の麻は厚手でしたのでそんなにクシャクシャになるようなシワはつきま
せんでした。ところが涼しさを求めて薄い麻を使うようになってから、シワ
がとても目立つようになったのです。
 そこで、メーカーの方でもシワを減らしたいという事で化繊を混ぜるよう
になったのですが、そうすると、シワにはならないけれども涼しさが減る
という事でだんだん敬遠されてしまったようです。
 また、日本人が極端にシワを嫌う事も、麻離れの原因の一つではなかった
かと思います。
 ただ昨年あたりからまた麻が復活してきているようで、大手の生地屋さん
のバンチでもよく見かけるようになりました。既に数人のお客様がオーダー
されましたが、やはり独特の張りがあって、色味も美しく、やはり「夏に麻」
はいいものだ、とつくづく思いました。

 日本には、昔から夏向きの生地が沢山あります。例えば小千谷縮(おじや
ちぢみ)などがそうですが、最初からシボが入っていますからサッカー地な
どと同じように使えますし、シワにはなりません。
 夏場の気温の高さや省エネなど考えると、ついついラフな格好になりがち
ですが、昔ながらの良い素材を取り入れて、夏でもお洒落な格好を楽しんで
みてはいかがでしょうか。


蒸し暑さが続きますが、おかわりありませんでしょうか?
今年初めてのツクツクホーシの鳴き声を北鎌倉で聞きました。
ところでご指摘のように、昨今街中ではネクタイをしている方、
めっきり少なくなりましたね。
街中で、タイを締めて上着を着ていると、少々奇異な目で見られてしまうこともあります。
そんなとき麻だと少し違うかもしれませんね。
夏らしい帽子も着用すれば、涼しげに見えそうです。
2012.08.14 00:11 | URL | リカルド夙川 #- [edit]
いつもコメントありがとうございます。
本当に暑い日が続いていて、外出をできるだけ
控えて家にいるようにしています。
今年は、思い切って麻のジャケットを新調する
ことにしました。少し濁った色のピンクです。
こんな色を選ぶようになったのも、歳をとった
せいかな?なんて思っています。
猛暑はまだまだ続きそうです。ご自愛下さい。
2012.08.23 13:51 | URL | 服部 晋 #- [edit]


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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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